内容説明
長距離ランナーとして恵まれた肉体を持つだけでなく、そのための努力も人一倍してきた天才、岡崎優。同じ陸上部の仲間に対し協調性も興味もなく、大学の箱根駅伝は通過点に過ぎず、目標はオリンピックだった。しかし突然の兄の死をきっかけに家族関係が壊れ、ある秘密を知った優は重たい決断を迫られるが…。
著者等紹介
桂望実[カツラノゾミ]
1965年東京都生まれ。大妻女子大学卒業。会社員、フリーライターを経て、2003年『死日記』でエクスナレッジ社「作家への道!」優秀賞を受賞しデビュー。2005年『県庁の星』が映画化されベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiace9000
110
作品は「テーマ」こそ「魂」だろう、と。舞台や登場人物、そこで起こり描かれる幾多の出来事は、すべて「テーマ」の表現という最上位目的のための手段に過ぎない。ならば本作のそれは?ーと考えてみれど自身が浅学非才に過ぎ、答えることが難しい。岡崎優の成長譚にしては余りに説得力に欠け、取ってつけたスーパースターの遺伝子操作や家族の崩壊という疑似科学と悲劇に至っては、箱根駅伝にかける大学駅伝チームの奮闘記、人間ドラマとの掛け違い感も甚だしい。そしてタイトルは『Run!Run!Run!』。3回「走れ!」と言われても…。2022/11/17
papako
81
前のも情報無しに読んだら、胸熱な箱根駅伝ものでした。才能があり、オリンピックを目指してひたすら走る大学生の優。とにかく俺様で、自分が早く走ることしか考えていない。しかし似ていない兄が自殺して、自分の出生に疑問を持つ。保身の為に箱根駅伝を辞退して、同級生岩本のサポートに。そこから徐々に変わっていく。才能とは?身体的な能力は、持って生まれないとダメなのか?そして陸上というスポーツにおけるチームとは。努力を惜しまなかった優だけに、ラストの決断に至ったのだろうな。うん、目頭あつくなるいいお話でした。2020/07/01
hit4papa
58
孤高のとんがり学生ランナーが主役のスポーツ小説です。駅伝で脚光を浴び、末はオリンピックのメダリストを目指す主人公は、他人から何を言われようが上から目線。まさに孤高の天才です。練習にまい進する日々と並行して語られるのは、兄の死をきっかけにした家族の崩壊。やがて自身の出生の秘密を知り、人生の岐路に立たされてしまうという展開です。挫折からの再起のようなスポ根小説の王道から大きく外れているあたりは、ユニークで面白いですね。主人公の出生に関して腑に落ちない点はあるものの、終盤は良い意味で想像を裏切ってくれました。2019/03/24
みち
50
思っていた内容(爽快スポーツ小説)とはちょっと違ったけど、人間の葛藤と成長が描かれていて、ぐいぐい惹き込まれて、あっという間に読んだ。アスリートはどんな競技にしても、平常心を保ち、自分を信じる強い心が必要なんだなと思った。岩ちゃん、きっといい先生になってるんだろうな。2015/03/15
アポロ
39
うーん、「チーム」と「一瞬の風になれ」を足して2で割ったような感じだったな!踏み込んでは行けないところまでいっちゃった感あるし!どっちも読んでなければ感想も違ったかな!2017/03/31