出版社内容情報
生誕80周年記念企画!
ナチスドイツ興亡の時代を背景に、ドイツ、日本、イスラエル3国にまたがる3人の主人公の生と死。著者畢生のライフワーク再登場
担当編集者より
ヒットラー出生の秘密を示す証拠書類はひそかに日本へ送られ、殺された留学生の兄・峠草平の手に渡った。そのため、峠はゲシュタポと日本の官憲に追われることとなり、勤めていた通信社も辞めさせられてしまう。果てしない流亡の日々が始まった——。3人のアドルフの生と死を人間再生の祈りをこめて描くライフワーク第2巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zero1
59
ナチスの機密文書を持った草平は追われる。そしてモテる。女将さんの存在感は流石。日本の特高警察とドイツのゲシュタポはまるで兄弟のよう。戦前、戦中の警察がいかに陰湿だったかを再確認。一方カウフマンはドイツで幹部養成学校に入る。ナチの幹部として成長。ユダヤ人を擁護し続けることができるのか?結果から見れば環境が人を形成するというのは本当だった。漫画からでも歴史を学ぶことはできる。この作品が近代・現代史を知るきっかけになればいい。2020/01/10
Vakira
53
舞台は変わって日本へ。新聞記者 峠は殺された弟の手紙と書類から世界を揺るがす事実を知る事になる。それはナチス、ヒトラーの政権を奪うことになる情報。日本の特高警察からはアカの秘密文書と間違えられ終われる羽目に。フランス、アメリカ、ドイツからも追われ、手紙の争奪戦となる・・劇画調の絵にまさかの手塚悪役スターのランプ、ハムエッグ。アリです。意外や実際にこんな人いる気がしてくる。世界の秘密情報屋の注目は峠の書類に。こんな世界的なドラマを発想&創造した手塚治虫さん凄すぎる。ア~文書は海の藻屑~3巻の展開は如何に! 2021/03/31
佐島楓
53
峠のスーパーマンぶりと女性にモテモテのところがある意味で救いである。この時点で死者が多すぎて先が思いやられる。これ以上酷い(むごい)展開にになってほしくはないのだが・・・。2015/11/13
fu
21
ナチス幹部養成学校に入った幼きアドルフ・カウフマンは、ユダヤ人アドルフとの友情と愛国心の間で葛藤する。展開が早く、登場人物が次々死ぬので読んでいて楽しいとは到底思えないが、続きが気になって止められない。2015/11/14
hamham
18
2巻は3人のアドルフはほとんど出てこずに、ヒトラーの出生の秘密文書を弟に託された峠草平が、各国のスパイや警察から逃げ回る展開。それにしてもこの男、モテすぎである。ドイツ外交官の妻に惚れられ、先輩記者の生娘に一目惚れされ、酒場の未亡人に夫の面影を重ねられ思慕され…。この猪突猛進の?四角いコンクリブロックみたいな男がそんなにいいかね!?「女は抱くけど、心底惚れたことはない」とかいう男ですよ!?ナチス学校に入った日独ハーフアドルフは「自分はドイツ人がいい、日本人は二流民族」と言うようになってしまい今後が心配だ。2017/12/08