内容説明
「例の本能寺に通じる抜け穴を、本能寺の古井戸から至近距離で封鎖するのだ」。光秀の謀反を察知した秀吉は、前野将右衛門に命じた。その光秀を天王山に破り、秀吉は後継者争いのトップに躍り出る。やがて信長の遺児や嫡流を葬り去ると、信長の姪、茶々に触手を伸ばす。独裁者となった秀吉の心に広がる、消えることのない闇とは。
著者等紹介
加藤廣[カトウヒロシ]
1930年東京生まれ。都立新宿高校から東京大学法学部に学び、54年に中小企業金融公庫に入庫し、京都支店長、本店調査部長などを歴任。山一證券に転じ、同経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師などを経て、中小企業やベンチャー企業のコンサルタントを務めるかたわら、ビジネス書の執筆や講演活動を行う。2005年に構想15年の書き下ろし長篇『信長の棺』で作家デビュー。『秀吉の枷』、『明智左馬助の恋』と本能寺三部作を発表して大きな話題を呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムトモ
113
〜来春大河ドラマ対策強化月間〜秀吉様の信長様に対する嫉妬と策略、子作りの奮闘…あっという間に読了できましたがなんだかなぁ〜〜天下を獲るというより信長様への嫉妬の後始末と子孫を残す足掻きに終始した印象…光秀よー秀吉様くらい立ち回らんと自分の正義は貫けないぞよ🙇♂️(ノ-_-)ノ~┻━┻さて後始末と足掻きは如何に…来年の大河の主人公が秀吉様なら読み応えもあったのだろうにともかく下巻へ2019/11/13
mura_海竜
56
秀吉がなぜ家康に媚を売ったかが争点?この本から得るものは何だろう。権力と富を手に入れた秀吉。小説の内容だと、少しも尊敬できないのは確か。下巻へ進む。2014/04/09
どどいち
33
『上』の感想に纏めて記述してあります。参照下さい。2016/05/03
レアル
33
加藤さんの作品は歴史に詳しくなくても、読んでで分かりやすい文章なので良い。この巻は本能寺の後から九州征伐のところまで、読んでて面白い。2012/09/19
優希
22
本能寺の変で信長が逃げる可能性を計算していた秀吉が凄いなと思います。光秀の動きを予測していたかのように抜け穴を封じさせる頭の回転に唸りますね。信長亡き後、家康の影に怯えながらも、小牧・長久手の戦い等の勝利で遂に天下に登り詰めるのは彼の運とも言えるでしょう。周りの武将たちの態度も変わっていくわけですけれども。百姓出身の家臣が関白になるのは下剋上であり異例の出世。お市の方に瓜二つの茶々に想いを寄せてはいましたが、他の女性は好色ではなく子孫を残すのが目的の関係だったんですね。でもあまり秀吉は好きになれません。2014/03/16