内容説明
知られざるダッチワイフの戦後史を綿密な取材で掘り起こすとともに、「ラブドール」と呼ばれる精巧なシリコン製ダッチワイフが開発されるまでの苦労話、エンドユーザー達の悲哀と楽しみを現在進行形で描いた異色のノンフィクション。
目次
1 ダッチワイフの履歴書(「ダッチワイフ」と「ラブドール」;抱き枕がシリコンに進化するまで ほか)
2 素材革命―風船からシリコンへ(シリコン製ラブドールの中身;シリコン製ラブドールの作り方 ほか)
3 開発者の苦闘と喜び(創業30余年のトップブランド―オリエント工業;安価なエントリーモデル市場を確立―ハルミデザインズ ほか)
4 ダッチワイフの主人たち(消えた「ラブドール風俗」;「里子」をヤフオクに出す ほか)
著者等紹介
高月靖[タカツキヤスシ]
1965年、兵庫県生まれ。雑誌、書籍の編集を経てフリーライターに。内外の社会事象を扱う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TATA
30
確か何年か前に評判になってた作品だったなあと手に取る。表題からして好奇の目で見てしまいがちだけれども、中身はやたらにクソ真面目なメーカーのラブドール開発話。やれ材質だとか採算性だとか、この業界にもプロジェクトXはしっかりとあるわけで。あらためて日本のサブカルチャーの奥深さに脱帽。こういうところもさすが日本ということなのかなあ。2022/08/27
しげ
10
大人の社会科見学本。女性にはなかなか馴染みのないラブドールですが、試行錯誤を繰り返しながら、プライドとこだわりと高い技術力をもって作られていることを知りました。人間を超越した愛くるしさに、もはや「人間の代替え品」とは言えないものを感じます。こんなにも完璧で美しいのに、たった一人の男性から愛されるためだけに存在するのか、と思うと、なんだかちょっと切なくなります。2013/10/18
roku7777
5
もうね、こんな本が読みたかったのよ。作者は親切に、それに愛溢れる感じで「ラブドール」を語る。あ、ダッチワイフのことね。どうもダッチワイフというと口をポカーンと開けて頭もじゃもじゃな、なんかコントなイメージなんだけど、それはほんとに違うということが分かっただけでも満足。讀むと欲しくなってしまう本だ(いや買わないけどさ)。2018/03/09
活字スキー
4
「生身の女じゃダメだッ!」というのは、あまり人前で自慢するような趣味ではないが、人様に迷惑が及ばないような配慮があれば個人の自由なのだろうし、いざやるとなったら常識なんて突き抜けてナンボ、空気なんか一切読まないのがアーティストや職人としての正しいあり方なのかもしれない。……違うかもしれない。2014/06/30
wasabi
4
こっちの世界は全然知らなかったんで面白かった。ラブドール界のフェラーリこと「4Woods」のドール達は、社長の熱さも相まって妙にグッときちゃったなあ。日本ではオ○ホールを精巧に作りすぎると法に触れるってのは初耳。2013/03/04