出版社内容情報
米リーマン・ブラザーズ破綻に端を発する世界金融危機。その本質はどこにあるのか。日本の取るべき道は? その答えを探るのに格好のテキストこそ、21年前、戦後を代表するエコノミスト・下村治が上梓した本書です。「アメリカ経済はまったくの消費経済になった」「株信仰がつくる株高現象はいつか崩れる」――実体のない金融ゲームにうつつを抜かしてきた挙げ句、恐慌の淵で脅えている我々は、今こそ下村の遺した声に真摯に耳を傾ける必要があります。神谷秀樹氏による序文、水木楊氏による解説を加えて緊急出版!
内容説明
戦後を代表するエコノミスト、下村治が1987年に上梓した本書は、日本がバブルの絶頂へ向け驀進していた中、「日米は縮小均衡から再出発せよ」と異端の警鐘を鳴らした。これは米国の金融バブルが崩壊し、恐慌の縁に立つ世界に、何と切実に響くことか!今こそ、下村の声に真摯に耳を傾ける最後のチャンスだ。
目次
第1章 世界的経済不安定の元凶は日本ではない
第2章 アメリカの言いがかり
第3章 日本は事態を正しく認識していない
第4章 自由貿易が絶対的に善か
第5章 もうすでにマイナス成長がはじまっている
第6章 “国民経済”という視点を忘れたエコノミストたち
第7章 ドル崩落の危険性はこれほどある
第8章 日米は縮小均衡から再出発せよ
第9章 個人生活は異常な膨脹以前の姿にもどる
著者等紹介
下村治[シモムラオサム]
明治43(1910)年佐賀県生まれ。東京帝国大学経済学部を卒業し、昭和9年大蔵省入省。経済安定本部物価政策課長、日銀政策委員などを歴任。34年の退官後は日本開発銀行理事、日本経済研究所会長などを務める。国民所得倍増計画を唱えた池田勇人内閣では経済ブレーンとして高度経済成長の理論的支柱となり、また、48年の第一次石油ショック後はいち早くゼロ成長論を唱えるなど、旺盛な言論活動を展開。常に透徹した論理で日本の将来像を描き続けた、戦後を代表するエコノミストの一人。経済学博士。56年、勲二等旭日重光章受章。平成元年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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