文春文庫
超・格差社会アメリカの真実

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  • サイズ 文庫判/ページ数 349p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167753504
  • NDC分類 302.53
  • Cコード C0195

内容説明

5%の金持ちが富の6割を独占し、3割が貧困家庭!これが小泉改革路線以降、日本が目指してきた格差社会アメリカの真実なのだ。かつての豊かな中流階級はなぜ消滅したのか。それでも「心地よい」のはなぜか。アメリカの政治、経済の変遷を綿密に分析し、今日の米国社会の本質を描ききった本書は、明日の日本の姿でもある。

目次

第1章 超・階層社会アメリカの現実―「特権階級」「プロフェッショナル階級」「貧困層」「落ちこぼれ」
第2章 アメリカの富の偏在はなぜ起きたのか?―ウォール街を代理人とする特権階級が政権をコントロールする国
第3章 レーガン、クリントン、ブッシュ・ジュニア政権下の富の移動
第4章 アメリカン・ドリームと金権体質の歴史―自由の国アメリカはいかにして階級社会国家となったのか?
第5章 アメリカの教育が抱える問題―なぜアメリカの基礎教育は先進国で最低水準となったのか?
第6章 アメリカの政策目標作成のメカニズムとグローバリゼーションの関係―シンクタンクのエリートたちがつくり、政治家たちが国民に説明するカラクリについて
第7章 それでもなぜアメリカ社会は「心地よい」のか?―クリエイティビティが次々と事業化されてくる秘密
第8章 アメリカ社会の本質とその行方―アメリカ型の市場資本主義が広がると、世界はどうなるのか?
第9章 アメリカ発世界経済危機はなぜ起こったのか?―レーガン以降のアメリカ政権の経済政策を検証する

著者等紹介

小林由美[コバヤシユミ]
経営戦略コンサルタント/アナリスト。東京生まれ。1975年東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行に女性初のエコノミストとして入社。長銀を退職後、スタンフォード大学でMBA取得。82年ウォール街で日本人初の証券アナリストとしてペインウェバー・ミッチェルハッチンスに入社。85年経営コンサルティング会社JSAに参加後、ベンチャーキャピタル投資やM&A、不動産開発などの業務を行い、現在にいたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

313
週刊誌の見出しのようなタイトルだが、中味はけっして軽くはないし、煽情的な内容でもない。格差社会アメリカを歴史的に、また現在の状況を、さらには近未来の予測までを経済を基軸に論じた渾身の1冊。著者は在米26年(当時)の経済アナリスト。著者自身の分類によれば「プロフェッショナル階級」に位置すると思われる。アメリカにおける中産階級の崩壊は、全く他人事ではない。おそらくは日本社会が今まさに歩みつつある道だ。そして、わずか数%の人々が富の大半を享受し、他の圧倒的多数は、ひたすらに「支払う」側に回るのである。2018/07/15

ブラックジャケット

14
続けてアメリカ残酷物語二冊目。あの超大国がなぜ病に沈んでいるのか。世紀をまたぐ覇者の変貌を在住30年のエコノミストが分析する。アメリカの独立から格差のスタートを説明する。通史としてもすぐれていて、現代を問う問題意識は鋭い。グラフを多用し数字で納得させる手法は説得力がある。富の集中は政権の後押しがなければ出来ないマクロの構図。公立学校は沈み、富裕層は私立学校へ進学させる。しかしアメリカの良さを伝えることも忘れない。起業のバックアップが豊富で実践的。すぐに事業化しやすい。世界のどこもかなわないパワーだ。 2021/10/13

竜崎

2
古き良きアメリカの時代は終わった。鮮やかな芝生と郊外の一戸建てを持つ中流家庭は、今では貧困層に落ちたと著者は言う。建国理念である自由・平等を人々が信じる一方で、紛れも無いエリート階級が存在する。だが、プラグマティズムを信奉するアメリカでは貧者は怠惰であるからだと考えられがちだ。例えば国民皆保険ではないアメリカでは、全て自己責任の元で貧者が苦しんでいる。輝かしいアメリカンドリームは、希望を与えるが人々を駆り立て呪縛しているようでならない。2013/10/13

Arista

2
中身は非常にまじめな米国の経済分析の本。経済統計等のしっかりした資料を中心に米国の病巣を指摘する本。決して根拠が薄く、感情的なよくある反米本ではない。2011/02/13

akagiteaching

1
アメリカ社会を著者は,4つの階級にわけているが,そこに「中流階級」を置いていないところが,面白いというか,そうかもと思う。データに基づき,なぜ,アメリカ人はそういう発想になるのかに迫っている…時間があるときに精読する。2015/06/30

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