内容説明
「あくび指南」で蕎麦打ちブームの受難を嘆き、「茶の湯」ではゴルフの風流を探り、「寿限無」では「三菱東京UFJ」を思い出し、「文七元結」の五十両に神仏の導きを見る。「芝浜」のサゲに「あれを飲まないとは思えない」。名作落語十席を取り上げて、これまでにない視点から落語を掘り下げる、師匠と和尚の痛快対談。
目次
まくら
あくび指南
茶の湯
寿限無
蒟蒻問答
芝浜
文七元結
天災
死神
小間物屋政談
浜野矩随lさげ
往復書簡
著者等紹介
立川志の輔[タテカワシノスケ]
1954年富山県生まれ。明治大学経営学部卒業。広告代理店に勤務の後、立川談志門下に入門。1990年、立川流真打ちに昇進。独演会を精力的に行う一方、テレビやラジオでも活躍
玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年福島県生まれ。慶應義塾大学文学部中国文学科卒業。京都天龍寺専門道場に入門し、現在は臨済宗妙心寺派福聚寺住職。2001年、「中陰の花」で芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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退院した雨巫女。
12
《私‐図書館》落語家からみた落語、僧侶からみた落語の着眼点の違いが、面白い。登場した十の演目中半分しか知らなかったのが、ショック。まだまだ修行が、足りません。2013/05/21
nemunomori
9
お二人がとても楽しそうな対談集です。どこか文学的な香りのする落語談義に留まらず、志の輔師匠の落語家入門の逸話や宗久和尚の修業時代の思い出まで飛び出して、面白くて頁を捲る手が止まりません。「こんにゃく問答」や「寿限無」など仏教に関わりのある“噺”になると猛然と語り始める宗久和尚に「怒ってます?」と突っ込む志の輔師匠のやりとりが落語より可笑しかった。巻末の往復書簡まで楽しめました。2016/07/10
オールド・ボリシェビク
3
芥川賞作家で臨済宗僧侶の玄侑宗久と立川志の輔の対談集。「あくび指南」「芝浜」「茶の湯」など、落語10席を取り上げながらの丁々発止は落語ファンならたまらないはずである。「あくび指南」に玄侑は「悟っちゃいけない、悟る前のところでこれだけ楽しめる」心境を読み取る。志の輔は「芝浜」を落語家の試金石とみる。いろいろと参考になり、蘊蓄もたっぷり。お得な一冊だと思います。2025/02/10
あーさー
1
「あくび指南」や「蒟蒻問答」など、十席の落語を題材に、立川志の輔さんと玄侑宗久さんがトークを繰り広げています(あと、おまけ的なトークも収録)。それぞれ最初にあらすじが書かれているので、落語に触れたことがなくても楽しめます。深い内容を軽妙な掛け合いで展開していき、非常に面白かったです。2024/07/02
takoing
1
「風流」って言葉がとっても気に入りました。 ココロが動く時つぶやいてみようと思います。2013/01/29