内容説明
「入院するより、家のほうがいいよ。病室は、どこをみても真っ白で、篭の中の鳥の気持ちがよくわかるよ」(79歳・男性)。人生の最期をどこで迎えるのか―愛する家族に囲まれて自宅で、という切実な願いを支えてきた聖路加国際病院のベテラン訪問看護師が綴る、11の「いのち」の物語。
目次
1 自宅で迎える幸せな最期(夫婦ふたりの在宅闘病;もう、がんばれない;もっと一緒にいたかった;おじいちゃんと一緒に逝きたい;生きる証のディズニーランド;ディズニーランドの家族は今;御殿への訪問看護―体験記 高松宮妃殿下との思い出;ユーモアあふれる江戸っ子;一〇二歳と一〇六歳の大往生;治らない子 ほか)
2 未来へ生きる可能性(健太くんの未来)
著者等紹介
押川真喜子[オシカワマキコ]
聖路加国際病院訪問看護ステーション所長。聖路加看護大学卒業。板橋保健所、日本大学医学部附属板橋病院循環器内科を経て、平成元(1989)年から聖路加国際病院公衆衛生看護部勤務。平成4年、聖路加国際病院訪問看護科を立ち上げる。訪門看護のプロとしてこれまでに多くの「在宅死」を見届けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
62
やはり最後は見送ってくれる人がいないと在宅医療は無理なんだ。自宅で最期を迎えたいと読んではみたものの・・どれだけ家族の負担が大きいか・・。母には私も弟夫婦もいるから自宅で最期を迎えられる事もできそうだが・・如何せん透析を受けている。私達夫婦も、昨日ケアマネさんにこれからの介護に関しては子供達に負担をかけたくないので、頭がまだしっかりしていたら少々動けなくても在宅でお願いしたいと。頭がイカレてきそうと判断されたら入所をと。老後って云うのは我が身に返ってくるが、本当に大変なのは愛おしい子供の死を看取ること。2016/05/28
ichi
26
【図書館本】訪問看護師のノンフィクションのお話です。安らかに苦しまず最期を迎えられるように、医療的な面だけでなく、ご家族の気持ちに寄り添わなければならない為、より人間力が必要だと思います。2015/05/16
Sacl
3
訪問看護師になりたいので、入試のネタになればいいなと読んでみました。ノンフィクションのお話がいくつか載っていて、前半のは在宅で看取るお話で、涙こらえるの必死でした。涙もろいので…。どれもいい話で、やっぱり在宅医療は安心する人が多くていいなと思いました。最後の話は、在宅は亡くなる人だけではなく、病気と戦う子もいるという話で、在宅で頑張る男の子の話を読んで、やっぱりこういう子を助けたいと思いました。在宅医療の素晴らしさを感じることのできた一冊でした。2016/02/17
でこりん
1
「なんとめでたいご臨終」を読んだときの私の心のモヤモヤの答えがこの本にあった気がする。あちらは死に行く人を支える周りの人の心情の描写が少なかったんだ・・。こちらの本のほうが支える家族の、訪問看護師の、揺れ動く心のさまの描写が圧倒的に多い。もう一回「なんとめでたい~」を読み返してみよう、と思った。2019/05/19
はち
0
学校の課題図書として提示されていたので読んだが、在宅看護の良さに気付くことができた一冊。 短編で読みやすく看護師の視点で書かれた著書なので看護学生にはぜひ読んでもらいたい。2013/06/30