出版社内容情報
青春小説、ファンタジー、SF……幅広い作風の著者ならではの短篇集。明日おとなになるこどもたちに出会う、希望きらめく6つの物語。
内容説明
目が覚めたら魔法のしっぽが生えていたイジメられっ子、父を亡くし若い継母とふたり年を越す高校生…。児童文学から恋愛小説、SF、時代小説まで、ジャンルを超えて活躍する著者ならではの、色とりどりの6篇が入った“玩具箱”。明日への希望きらめく瑞々しい気持ちをギュッと詰め込みました。文庫オリジナルの自著解説を収録。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師を経て、1991年作家デビュー。『バッテリー』(角川文庫)で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー』シリーズで小学館児童出版文化賞、『たまゆら』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。児童文学からヤングアダルト、一般小説でもミステリー、SF、時代小説などジャンルを超えて活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
59
どこから「朝のこどもの・・」なんて題が出てきたのだろう。夜の闇から朝日を迎える・・を比喩した物語?。大人と子供がそっと寄り添うような、芯のある大人になれと諭しているのか。私達大人が子供の未来の・・行く末を握っている。いつまでも綺麗な地球を。地球を死に絶えた星にしてはならない。口先だけ綺麗なだけの大人に群がるより「がんじっこ」に心を寄せてみたいね。そんな「がんじっこ」がいたなら日本も地球も無くなったりしないはず。今は・・ネットというもののお陰で情緒も奥ゆかしさも人の心から失せた。だからがんじっこは邪魔だとさ2017/05/27
はる
55
ほのぼのとした感じかと思いきや、意外と命をテーマにした重い内容の作品もありましたね。えっ、ここで終わり?という作品もいくつか。長編小説の序章という感じで続きが気になります。あとがきによると最後の作品は担当編集者の方の意見でラストを書き直したそうですが、これは凄く正解!2016/05/26
(C17H26O4)
51
何かをすごく期待して読んだわけではないのですが、タイトル&装画から受けたイメージと内容が一致せず、戸惑いを感じ続けながら最後まで。それが残念。お話は、大人も子供も狐も未来の人も色々あってもやっぱり上を向いていたいよね、みたいな印象。様々な作風で書かれていました。軽い読み心地で明るかったから、深刻ではないものを読みたかった気分には合っていました。装画のこの感じに見覚えがあるなぁと思ったら『ペンギン・ハイウェイ』の装画を描いた方でした。くまおり純さん。検索して他の絵も見たのですがこの方の絵、結構好きかも。2018/09/12
えみ
40
初めて出会う感覚に知らなかった感情をみつける、毎日がそんな宝探しだったこどもの頃を思い出すようなキラキラとわくわくとドキドキを箱に詰め込んだ、まさにこどもの玩具箱。まだ箱から出す前の「今日はなにして遊ぶ?」「どんな楽しいを教えてくれる?」の玩具とこどもの意思疎通を小説に投影しているかのようだった。様々な感情を持ち寄って夢現物語、その一話一話を常識に囚われないカタチで楽しみ尽くす。表情が豊かな小説、6篇6様無限の希望。忘れかけているときめく様な艶めく様な潤いある毎日を体感させてもらえて大感謝な一冊だった。2025/09/05
チアモン
31
あさのあつこさんの書く小説はすべて好き。今回は人間に化けることのできる狐の「孫の恋愛」がお気に入り。色々な種類の短編集がいっぱいつまっており、「玩具箱」というタイトルがしっくりくる作品たちでした。2017/01/15