内容説明
文久元(1861)年、伊勢・藤堂家の御落胤との噂がある藤堂平助は、ふとしたきっかけで土方歳三と知り合い、天然理心流の試衛館の食客となる。北辰一刀流を使う平助は、ある時、同門の清河八郎から、浪士隊の話を聞き、近藤勇らとともに同道し入京する―。新選組の中にあって異色の剣士の短い半生を描く長篇小説。
著者等紹介
秋山香乃[アキヤマカノ]
1968年、北九州市生まれ。作家。活水女子短大卒業。柳生新陰流居合道四段。デビュー作の『歳三往きてまた』が新選組ファンのみならず、時代小説ファンの支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Die-Go
83
新選組副長助勤・藤堂平助の生涯を秋山香乃の筆で追う。彼の短い生涯において何に重きをおいて生きていったのか、そこには土方歳三との絆があった。繊細な藤堂の心持ちがなんとも切ない。その最期では、大河ドラマでの最期の斬りあいのシーンが蘇り、思わず涙しそうになってしまった。多少BLの傾向があるのは秋山さんならではか。★★★★☆2017/05/29
五右衛門
66
読了。平助が今の世を見たらどう思うのかな?辛すぎる時代に生まれたばっかりに…けれどだからこそ今の世にこうして名が刻まれているのかな。余りに純粋でしかも一途に誰かを信じようと守ろうとその先の未来を見ないようにして突き進む姿が辛すぎました。新撰組の内面、裏面を読んでいるようでした。この作家さん好きですね~他の作品もまたまた探します。2019/11/18
さつき
59
大名の落胤として生まれ、貧にあえぎ恵まれない少年時代を過ごした藤堂平助。真っ直ぐで嘘のつけない人柄の彼は生き方も不器用でした。このところ新選組ものをたくさん読んでますが、これだけ切ない作品は初めてです。逃れられない運命のように『裏切り』に追い込まれていく平助の姿は涙なしには読めませんでした。2017/03/12
はらぺこ
53
藤堂平助が新選組を裏切って伊東甲子太郎についていった理由が分かり易かった。 池田屋事件の後は紀乃の話が無かったので、いっそ紀乃の話を削って油小路ら辺をボリュームアップしても良かった気がする。2014/12/13
財布にジャック
46
藤堂さんの最期を知っているだけに、最後の50ページをずっと読むことが出来ずにいました。辛い、切ない、悲しいとしか感想の書きようがありません。2017/08/21
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