文春文庫
歳三 往きてまた

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  • サイズ 文庫判/ページ数 546p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167717278
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

鳥羽・伏見の戦で近代的な軍装の薩長軍に、なす術もなく敗れた新選組。時代はすでに日本刀ではなく、小銃の時代になったと土方歳三もわかってはいるのだが、その後も、甲府、宇都宮、会津で戦い続け、そして敗れた。北の果て箱館に行き着いた歳三は、最後の戦いに臨む。新世界に背を向け、負け続けた漢の姿を鮮烈に描く。

著者等紹介

秋山香乃[アキヤマカノ]
1968年、北九州市生まれ。作家。活水女子短大卒業。柳生新陰流居合道四段。デビュー作の『歳三 往きてまた』が新選組ファンのみならず、時代小説ファンの支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

115
敗者の歴史という言葉がしっくりくるのが哀しく響きます。戊辰戦争以降、土方さんの目を通じて描く新選組はかつて京を震えあがらせていた新選組の姿ではなく、新政府群の前になす術もないながらも戦う姿でした。戦い続けながら敗れていく。そして遂に五稜郭で遂げる土方さんの最期。日本刀を身につけながら、新選組の鎧を脱ぎ捨てるように身を投げ出していく様子は魅力的で輝きを見せるのが不思議です。死を覚悟しながら駆け抜けた姿は滅びの美学であり、最後まで武士として生きたあり方のように思いました。2017/02/21

Die-Go

98
再読。戊辰戦争以降の落日の新選組を土方歳三の目を通し、秋山香乃の筆で描く。司馬遼太郎の影響が所々で感じられるが、それでも女性筆者ならではのやわらかさ溢れる新選組となっている。死を覚悟した土方歳三にとって、箱館とはなんだったんだろうか。ただの死に場所ではないだろう。終盤に出てくるが、「士道に背くまじきこと」の一文が彼を縛り付けていたのだろうか。男としての矜持が彼を徹底抗戦させたのだろうか。函館に行って感じてきたい。★★★★☆2017/05/21

財布にジャック

89
2011年の年明けに一番に手に取ったのは、土方さんの最期を描いたこの小説です!鳥羽伏見の戦いに敗れ、甲府・宇都宮・会津・函館と負けに負け続ける姿を読むのは、土方ファンとしてはとっても辛かったです。しかし、死に場所を求めて戦い続け、鬼から仏へと変わっていく土方さんの姿は、間違いなく胸をうちます。土方さんの今までのイメージと言えば「動」や「激」だったのですが、「静」の部分をうまく引き出してくれているしみじみとした素敵な作品でした!2011/01/05

アルピニア

60
王政復古の大号令以降の土方歳三を描いた作品。最近読んだ「燃えよ剣/司馬遼太郎」とどうしても比べながら読んでしまった。どちらも魅力的だが、秋山さんの「土方」は、司馬氏の「土方」より抒情的で、周りの人の土方に対する思いもたくさん書かれていて、読んでいて切なかった。途中で気持ちを鎮めるために何度も本を閉じた。同じ人物や出来事でも、両者で視点や解釈が異なり、刺激的な読書だった。他の作家さんの「土方」や「新選組」「幕末」も読んでみたくなる。 2018/04/17

つーこ

48
なんと読み応えのある本でしょう!胸を打つ男気、武士道。不器用だけどその生き様はみんなの胸を打つ。次々に仲間がこの世からいなくなり、ひとりぼっちになっていく痛々しい土方。それでも戦う事を止めない土方。ホントもう泣きそうでした。2011/02/16

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