内容説明
夏のある朝、健康そのものだった妻が錯乱する。この時からうつ病の妻と過ごす日々が始まった。夫にできることは何か?自らが医者であるにもかかわらず、無力さを抱きながらの試行錯誤の連続。病院勤務のかたわら、妻と自分のために三度の食事の支度をし、きょうも一日平穏であれ、と願う日日を潔く克明に綴る、感動の記録。
目次
うつとの出合い
妻の日課
医師ではなく夫として
雨の降る日
息子の存在
反省
屋上から飛び降りたい
母のこと
妻の仕事
迷い
日曜日
妻の歌声
義父の叱責
娘の家族
私の軌跡
正月
快方へ
うつ病とは
著者等紹介
御木達哉[ミキタツヤ]
本名・御木達也。PL病院副院長。1936年、東京生まれ。中央大学法学部、同大学文学部独文科卒業。63年から66年までドイツ・テュービンゲン大学でカフカを研究。帰国後、日本大学医学部に学士入学、70年卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
45
薬を飲んで寝ていれば治る病気ではない、と理解されつつもいまだ怠けもの、仕事のできない人のようなレッテルを貼られることがあるのではないか。身近に人(配偶者や親など)が心の病になったときどう対応するべきなのかという答えがこの本に書かれているわけではない。症状は百人百様、対処も人によって変わるはずだ。著者は医師、一般の人とは違う目で奥さんと関わっているにしろ、やはりこの病気の難しさが伝わってくる。心の中というものは人に見抜くことができるほど単純ではないもの、逆に人にそれをさらけだせるほど軽いものではないと思う。2015/07/22
せ~や
12
過去に読了。想像していた内容と少し違う感じで、がっかりしたなって記憶がある。
NOBU
5
美紗子さん、死んだらあかんのやで。 あなたの病はとても重く、生きてるだけでどんなにか辛かったとしても。 ご主人の為だけに、辛い毎日を9年も頑張ってきたとしても。 もっと頑張れとは、誰も言われへんけど…。 それでも、絶対に死んだらあかんのやで。 私は、あなたを許されへんわ。2011/02/20
Keiko
4
何がきっかけで奥様がうつ病になったのか分からない。でも、副院長をしながら、周りに弱音を吐かずによく浮き沈みのある奥様と暮らしてこれたなーと思います。このご夫婦が素晴らしいではなく、そういう選択肢もありますよね。中には離婚しちゃう夫婦もいるし。何を選択しても正解はないですよね。自分を見つめながら、時に心や体のメンテナンスや休みを取りながら生きていきたいですね。2023/04/02
こまっちゃん
4
医療現場に私情を入れ過ぎではないのかなと思ってしまう。2015/11/20