内容説明
死体は蝋燭と花で装飾されていた。事件を追う異常犯罪専従の刑事カーソンは、30年前に死んだ大量殺人犯の絵画が鍵だと知る。病的な絵画の断片を送りつけられた者たちが次々に殺され、失踪していたのだ。殺人鬼ゆかりの品を集めるコレクターの世界に潜入、複雑怪奇な事件の全容に迫ってゆくカーソン。彼を襲う衝撃の真相とは。
著者等紹介
カーリイ,ジャック[カーリイ,ジャック][Kerley,Jack]
ケンタッキー州在住。コピーライターとして活躍後、2004年、「百番目の男」で作家デビュー。同作は日本でも話題を呼び、05年の「このミステリーがすごい!」、「IN POCKET」、「週刊文春」各誌のミステリーランキングでランクインを果たした
三角和代[ミスミカズヨ]
1965(昭和40)年、福岡県生まれ。西南学院大学文学部外国語学科英語専攻卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
179
この作者は、ジェフリー・ディーヴァーの後継者のような位置づけをされていますが、確かにシリアル・キラーなどの観点からすると面白い読み物です。とくに今回は主人公の刑事の兄の連続殺人犯や同じところに収監されている連続殺人犯とのやり取りがキーとなっているような気がします。これで三作を読みまして残りも少ないのですが読みたい気持ちがこの作品で高まりました。2016/08/08
nobby
135
シリーズ2作目。前作の印象は極めて下品で変態的な驚愕へのドン引きのみ(笑)それ故にか続編を手に取るまで5年近く経っていたが、案外と楽しめたかも♬30年前に法廷で射殺されたサイコパスの脅威再び!連続殺人の片隅に遺される〈アート〉の意味は!?殺人鬼ゆかりの品の蒐集とか、そこに見出される芸術性やらに実感伴わない自分が痛恨…結構、人物が今昔一緒くたになるので冒頭の人物一覧に戻ることを繰り返す…それでも適度な興奮と疑念に翻弄されるまま、いつぞやか不思議と物語へと惹き込まれていた。黒幕の正体と実像に嘆息しつつ怯える…2021/06/17
猿吉君
101
カーソン2作目、昔と今が見事に繋がっていて変人が沢山出てきて何故か読後は爽やかという物語です。①とにかく相棒のハリーが良い、ワトソン役というか既にお父さん(笑)②カーソンばかりがなぜモテる、アヴァもそのうち戻ってきそう。③タイトルにもなっている集団は最悪な人達ばかりで犯人以上に嫌悪感覚えました。④最後のオチはお見事、全然検討つきませんでした。⑤壁画見てみたいなあ。点数85/100→噂以上に楽しめました、悲惨な殺人なんだけど全体的なテイストに何か明るさがあり、かなりの部分をハリーが担っていると思います。2021/03/15
セウテス
78
【刑事カーソン・ライダー シリーズ】第2弾。1972年死刑判決のその場で、連続殺人犯ヘクスキャンプは射殺される。犯人は泣く女と呼ばれていた女で、愛してると言葉を残し直後に自殺している。30年が経ち、ヘクスキャンプの取り巻きと考えられていた女性が、次々と殺害されていく。前作同様サイコサスペンスであるが、今回の方が謎解きとしては良く練られていると思う。異常心理殺人鬼に特化したシリーズなのだと、本作で理解した。事件の謎や展開、意外な犯人は素晴らしい設定だと思うのだが、何かのめり込めない理由が在る様で分からない。2020/12/02
財布にジャック
67
殺人鬼ゆかりの品を集めるコレクターの世界という怪しげなミステリーでしたが、その怪しさに惑わされて、犯人に全く気づけませんでした。主人公の兄の存在も物語を一段と盛り上げるのに一役かっていたし、三十年前の殺人鬼の登場もインパクトがあって、初っ端から作者の考えた罠にはまってしまいました。そして、ラストの怒涛の展開も、エピローグにもぐっときました。2013/09/04