文春文庫
火神被殺 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 298p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167697310
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

古代史の造詣を駆使した表題作他、男女の機微を描く「葡萄唐草文様の刺繍」、幼児期の記憶に想を得た「恩誼の紐」等5つの推理短篇集。

内容説明

古代史の造詣を巧みに駆使した表題作「火神被殺」、「神の里事件」。ブリュッセル土産のテーブルクロスが愛憎劇の鍵をにぎる「葡萄唐草文様の刺繍」。何が誠で何が嘘なのか、無罪判決の事例研究に想を得た裁判小説「奇妙な被告」。清張自身の幼年期の想い出がこめられた「恩誼の紐」―傑作推理短篇・五篇を収録。

著者等紹介

松本清張[マツモトセイチョウ]
1909(明治42)年12月、福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)に生れる。53(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年「日本の黒い霧」などの業績により第6回日本ジャーナリスト会議賞受賞。67年第1回吉川英治文学賞受賞。70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞。92(平成4)年8月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

16
松本清張「ニッポンの謎に挑む」(BSフジ)に触発されて読みました。1970~72年初出の短編集。既読の「恩誼の紐」を除き作品毎に寸評します。火神被殺:白骨バラバラ死体に隠された暗号、まさかの結末。古事記解釈論争も読み応えがありました。奇妙な被告:英国の裁判例が下敷き。こんな所まで目を通していたのですね。感服。葡萄唐草紋様の刺繍:ベルギー取材旅行で立ち寄った小さな雑貨屋の店主と客のやり取りから、ここまで着想を広げるとは。感嘆。神の里事件:遺作「神々の乱心」に繋がる異端教団物語。冒頭のバスガイドシーンが巧み2019/12/18

朔ちゃん

5
古代史に造詣が深いとは聞いていたが、かなり専門的で新説も出てきたのにはびっくりした。それに関連付けてミステリーにするなんて、松本清張はやはりすごい方だ!人間を描くのが素晴らしく、うっかり感情移入するとヒリヒリする。どの短編も完成度が高かったが、最後に収録されていた「恩誼の紐」が…特にヒリついた。2021/05/12

1goldenbatman

5
《未経験では容易に踏みこめないことでも、遠い過去の経験が実行を安易にするのだろうか。》=「恩誼の紐」/「おそらくは彼女自身が隠れた贈り物をもらった記憶を持っているのではなかろうか。野田は感情の色を湛えた眼で、若いときはさぞ美しかったに違いない婦人の顔を見つめた。」=「葡萄唐草文様の刺繍」/「刑事の自信たっぷりな経験的カンほど誤り多く、偏見の強いものはない。」=「奇妙な被告」/他、表題作と「神の里事件」2019/03/30

go

4
あまり有名な本ではないがちゃんと読み応えがある。バランスの取れた短編集だ。すぐにまた松本清張の本を読みたくなる。2016/07/25

ひろこ

3
今年始めに古事記読んで、少しは前提が理解したつもりだったけど、古代史は入って来なかった。2017/09/13

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