内容説明
自らの特殊能力―男をひと目で見抜く―を生かし、東京で女ひとり闇のコンサルタントとして、裏社会を生き抜く女性・水原。その能力は、「地獄島」での彼女の壮絶な経験から得たものだった。だが、清算したはずの悪夢「地獄島」の過去が、再び、水原に襲い掛かる。水原の「生きる」ための戦いが始まった。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年3月、名古屋市生まれ。慶應義塾大学法学部中退。79年『感傷の街角』で小説推理新人賞を受賞しデビュー。新しいハードボイルドの書き手として注目を集める。その後、『新宿鮫』(90年/吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞)、『新宿鮫 無間人形』(93年/直木賞)、『心では重すぎる』(2000年/日本冒険小説協会大賞)、『パンドラ・アイランド』(04年/柴田錬三郎賞)など、ベストセラーを次々と書き続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
208
女性主人公のハードボイルドです。主人公「水原」は男のウソを見抜く特殊な能力を持ち合わせ、外道な男どもを成敗していく‘女必殺仕事人’的なお話です。ノワールというジャンルとはまた少し距離を置いた感じの内容なので、そんなに暗くはないです。とにかくカッコイイ女性が活躍し、スカッとする本(作品)を読みたい!という方はオススメです。設定や話の展開など、細かいコトはこの際、一切ヌキにしてただひたすらこの世界観を楽しんでみるべきです。大沢さんの作品なので、会話が多く、読みやすいので見た目の厚さは関係なさそうです。2010/09/17
しんたろー
193
最近ハマりだした大沢さん、読友さんの推薦で別シリーズ…裏社会に生きる水原が活躍する連作短編形式の長編は、展開が早くてサクサク読めた。女性主役のハードボイルドものは好物なので評価が甘いかも知れないが、素直に「当たり!」と思えた。水原の「闇のコンサルト」という仕事ぶりや過去の壮絶な経験が曖昧にしか描かれていないのが残念だったが、乾いた空気感・哀しく切ない心情・魅力ある脇役たちと、エンタメのツボを心得ていて流石!くど過ぎないアクションや性描写も憎い味付けになっていて、最後まで飽きずに楽しめた。次巻も大いに期待♬2020/04/20
absinthe
182
面白い。長編かと思ったが、短編集の様でもある。なぞの島の記憶が、主人公にのしかかる緊迫感が伝わる。裏社会のしきたりを作り上げるのが旨く、説得力がある。水原が様々な裏社会のしきたりと力関係の裏をかいて間一髪生き残る、そんなスリルもなかなかよい。主人公が女であることが生かされていて、腕力でねじ伏せるような解決はとらない。この先生は、男は○○、女は○○となんでもカテゴライズしたがる人だなぁ。でも、この主人公の主観は、あんまり女らしくないね。2019/02/14
KAZOO
119
大沢さんの作品で唯一読んでいないシリーズだと思っています。文庫で第3作が出たのでそれなりに面白いのかなあと思い手に取ってみました。やはりセックスがらみの部分が出てきたりして違和感がありましたが、話は比較的短いものでの連作でそれに加えての主人公をめぐるひとつの大きな流れもあります。とりあえず続きも読んでいきます。2018/12/16
★Masako★
90
★★★★☆ シリーズ2、3作目にいく前に1作目のこちらを再読♪だいぶ前に読んだので内容はうろ覚えだったが、やっぱり面白かった~!「地獄島」での壮絶悲惨な過去。その過去の体験から、見るだけで相手の本性を見抜くという能力を身につけ、闇のコンサルトとして裏社会を生きる女性・水原。タフで冷静で美しい水原がとにかくカッコいい!フラッシュバックに襲われながらも過去と向き合う事を決め戦いに臨む中半からは、目が離せず一気読み!ラストは思っていたのとちょっと違う展開だったが、大沢ハードボイルド、十分に楽しめた!即2作目へ!2020/04/11