内容説明
上司の不始末の責めを負って同心を辞し、刀を捨てて損料屋を営む喜八郎。不況の嵐が吹き荒れる江戸に新しく普請された、大人気の湯屋「ほぐし窯」の裏側を探るうち、公儀にそむく陰謀に気づく…。喜八郎と仲間たちの活躍、そして江戸屋の女将秀弥との、不器用な恋の行方は?傑作時代小説シリーズ第2弾。
著者等紹介
山本一力[ヤマモトイチリキ]
1948年、高知県生まれ。都立世田谷工業高等学校電子科卒業。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空会社関連の商社勤務などを経て、97年「蒼龍」で第77回オール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で第126回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tengen
49
武家青山の投資話を断った伊勢屋の番頭二人が毒を盛られた!そんな青山の誘いに乗ってしまう米屋清八。三千両という大金の貸付けと禁制品に関わってしまった米屋を救うべく喜八郎は動く。☆まさかあの伊勢屋、そして損料屋までもが騙りにハマってしまう。仕掛けたのは何と!☆片付いたはずのほぐし窯一派の悪行か?江戸屋貸し切りでの悪態で秀弥が青山から刀を突き付けられる。秀弥のピンチに喜八郎が必死で駆け付ける。またもや騙りにハマる喜八郎であった!☆彡胸すく清八の顔が浮かぶ。☆ほぐし窯/赤絵の桜/枯れ茶のつる/逃げ水/初雪だるま 2017/03/09
Atsushi
34
損料屋喜八郎シリーズ2作目、五話からなる連作短編集。江戸押上村で営業を始めた怪しげな湯屋騒動を解結する表題作も良かったが、ラストの「初雪だるま」には思わずニヤリとさせられた。前作で一番の敵役だった伊勢屋が喜八郎に頭が上がらない米屋政八と手を結んで、相思相愛の喜八郎と江戸屋の女将秀弥を結びつけようとするお話。大がかりな騙りも粋で爽やかだった。2018/09/02
ううち
21
第2弾。初登場のおまきちゃんがカッコよくてスカッとしました。今回は損料屋の仕事にも触れられていて、そっちもなかなかしっかりした商売をしているのが伺える。お寺で出された食事が美味しそうでした。質素ながらも良く考えられているところがポイントだったのかな。ラストは思わずニヤリとしてしまった。喜八郎と秀弥さんがより一層近づくと良いな。2016/11/11
コージー
20
損料屋喜八郎の第2弾。一作目を越えて人の奥深さというか、関わりがより深くなり、面白くなっている。どれも良かったが、「赤絵の桜」の最後の俊造のセリフと、「初雪だるま」のラストの2人が良かった。まだまだ山本さん読みますよ~。2015/02/25
Makoto Yamamoto
19
シリーズ2作目。 前作では結構武闘シーンもあり、それはそれで楽しんだが、今回は人情味があふれる。 騙りが伏線になっているが、締めではホットさせる温かみがある。2018/04/09