内容説明
捕鯨問題の取材で南紀・太地を訪れた浅見光彦は「くじらの博物館」で、背に銛が突き刺さった漁師人形を目にする。それは、以前起きた殺人事件の被害者の姿そのものだった。調査を開始した浅見は、もうひとつの事件、旧家の娘と記者の心中事件との関連に注目するのだが…。事件現場に見え隠れする青い帽子の女の正体とは。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
1934年、東京生まれ。コピーライター、テレビCM制作会社経営を経て1980年、「死者の木霊」でデビュー。以後、文筆活動に入る。軽井沢在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヨーコ・オクダ
19
浅見光彦シリーズ。 埼玉県の秩父で見つかったホームレス風男性の遺体。これが「鯨」をキーとして、和歌山県の太地で以前に起きた殺人事件と心中事件と繋がってくる。世界的に見た捕鯨問題の側面と捕鯨が盛んだった地域の人々の意識や感情、そして権力やカネに対する欲望に飲まれてしもた悪人たち…という様々な要素がミックスされたストーリー。今回は、旅情ミステリ色より社会派色のんが強いかな?でも、そんなに堅苦しいわけでもなく、ボリューム的にもエエ感じ。2017/08/03
Ryoko
4
捕鯨に関わる人と反捕鯨運動に携わる人、たぶん、どうやったってわかりあえないんだろうなぁ…。ミステリーとは別に、浅見光彦シリーズは彼の取材を通して色々勉強になります。2013/08/11
fumi
3
浅見光彦節の想像力が、炸裂! 論理的な道筋ではない情緒的な動機は、感情的な想像力からしか導かれない。それが、このシリーズのメインテーマなのだろうと、再認識する著書です。2014/09/02
シロクマ
3
祖父母にいただきました。最後のシーン、ハラハラしました。おもしろかったよ2010/11/20
みや
3
イルカとクジラの違いってね、凄く簡単なんだよ?2006/09/13