文春文庫
囮弁護士〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 349p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167661809
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ある日、連邦検事の訪問をうけた弁護士ロビー・フェヴァーは、脱税と判事への贈賄を指摘され、罪の軽減を条件に取引を持ちかけられる。家族を抱えるロビーに選択の余地はない。かくして法曹界の大規模贈収賄事件を摘発するべく、連邦検察局とFBIの囮作戦が始まった!「推定無罪」を凌ぐと絶賛されたリーガル・スリラーの傑作。

著者等紹介

トゥロー,スコット[トゥロー,スコット][Turow,Scott]
1949年、シカゴ生まれ。スタンフォード大学大学院で創作を学んだ後、同校で講師として文芸創作を教えていたが、志望を変更、26歳でハーヴァード・ロースクールに入学、法曹界を目ざした。シカゴ地区連邦検察局の現職検事補時代に執筆した「推定無罪」を87年に発表、一躍“時の人”となる

二宮磬[ニノミヤケイ]
1945年、静岡県生まれ。慶応義塾大学法学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

259
★★☆☆☆ 賄賂をとって裁判を捻じ曲げる悪徳裁判官を贈賄罪であげるため、遊び人の悪徳弁護士の弱みに付け込み囮捜査をさせる検察官とFBI。 事件関係者のバックグラウンドを掘り下げ、物語に深みを加えるトゥローお得意の構成だが、話が長いわりにどの登場人物も造形が浅い気がする。 語り手のメイソンは過去の作品にも少し登場したことのある人物だが、キャラが薄すぎて存在感がなく、上巻では彼を語り手にした理由が見出せず仕舞いだった。 とはいえ、悪の親玉をあげることができるのか興味はあるから下巻に期待。2022/09/09

bapaksejahtera

15
米国中部架空のキンドル郡舞台のシリーズ。不明朗な会計処理を疑われた弁護士事務所に連邦検事局が乗込む。連邦当局は脱税事件ではなく郡司法当局を蝕む根深い収賄体制を暴くのが目的。この為事務所弁護士に囮となるよう脅しをかける。本作はヒット作「推定無罪」の12年後の作品。リーガルサスペンスであった先行作に対して、本巻では大きな事件は起きない。架空の民事事件で判事に収賄の水を向け、全体のボスを炙り出そうとする。破天荒な悪役乍ら魅力に富んだ囮弁護士と、これを監視するFBI女性職員との人間関係の変化等を只管見せる。面白い2023/05/04

智哉

8
次から次へと登場人物が入れ替わり、肝心の裁判は茶番のように退屈。ひとつも印象に残らない。動かぬ証拠を掴もうと大掛かりな罠を張るも、いい大人が何をしているのかと呆れてしまう。2018/06/16

向う岸

3
☆3 判事に賄賂を渡していた弁護士が、囮捜査に協力させられるお話。ただしこの弁護士、一筋縄ではいかない曲者だった。中盤で驚愕の事実が明かされるのだけれど、そこまで行くのが長くて長くて。事件とはあまり関係のない、登場人物の過去が語られたり、やたらと細かい情景描写が続いていて、なんと寄り道の多いことよ。(下巻に続く)2011/10/11

Tetchy

3
トゥローの描く架空の郡、キンドル郡を舞台にしたリーガルサスペンスは過去に登場した弁護士、判事、検事らが重層的に混在して登場し、さながら一大サーガを展開しているようだ。主役が各作品で違うため、それら主人公達から描かれるレギュラー出演者も各々の主観が入り、面白い。その描写は第1作から終始一貫して登場人物らの性格は変えず、違和感なく物語に入り込めるのがトゥローの素晴らしい所だ。2009/08/31

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