内容説明
ついにアメリカは死滅した。各地で孤立する生存者たち。電気も通信手段も失われ、死んだ車の列が道路を遮断する。でも希望はある。夜毎の夢に現れる老女―彼女のもとを目指そう。そこにはきっと何かがある。旅の仲間を増やしつつ、未来を担う者たちが歩む苦難の旅。並みの小説五冊分の冒険が詰まった前半の山場、第二巻開幕。
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン][King,Stephen]
1947年、アメリカ、メイン州生まれ。数々の名作を放ち、ホラー界にとどまらぬ声価を誇る巨匠
深町真理子[フカマチマリコ]
1931(昭和6)年、東京都生まれ。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
101
2巻目の本書は荒廃したアメリカを舞台にしたディストピア小説。騒動を鎮圧するために派遣された軍がやがて武器を振り回して小さな国の王になろうとし、殺戮を始める。メディアを使って公開死刑、略奪を繰り返し、本能の赴くままに行動する。その中にはウィルスに侵されて死を待つだけの者もいる。そんな無秩序な世界が繰り広げられる。誰もがただの悪質な風邪に罹っただけだと信じて疑わなかった、我々の日常の延長線上に繋がるようなごくごく普通の現象がカタストロフィーへの序章だったというリアルさを鮮明に、そして詳細に描かれている。2017/07/23
なぎさ
68
死滅したアメリカ各地で孤立する生存者たち。旅の仲間を増やしつつ、毎夜夢に現れる老女のもとを目指していく。~いまこの哀れな、悲しい惑星に残った人間どもは、全員、<神の手>によって天へひきあげられ、おなじ<手>によって永遠の試練にかけられるのだ~犯罪者、知的障害者、教師、妊婦、聾唖の青年…社会の構図が縮小された人物構成になっていて、それぞれの関わり方やエピソードも興味深い。2016/07/26
goro@the_booby
59
皆やられてしまった。罹患せず残された者達の旅が始まった。相変わらずキングの人物描写は容赦なく何冊もの物語が書けるほど際立ってるわ。一人取り残されたら何を求めて行動するのか?やはり人を求めて歩くのでしょうがここから善と悪の闘いが始まるのか!物語は3巻目へ突入するのですが来週まで中断です。先に言っておきます「ハッピーバースデー、キング!」のめり込む物語「ザ・スタンド」!!2019/09/19
cinos
24
パンデミックでアメリカが死滅してしまい、生き残った人たちが集まり始める。生き残った人たちが、病気ではない事故や不注意でバタバタ死んでいく場面は皮肉。最終的に闇の男と老婆のグループによる闘いになるのでしょうか。2019/04/22
たかやん
19
面白い。ウイルスによってほとんどが死に絶えた中、全米各地にわずかに生き残った人々。きらびやかな暮らしに慣れきったマダム、避難した町民たちから1人置いてきぼりを食った知的障害青年ら、社会システム崩壊後の生活にはあまりに不向きな相手を、見限るか否かの内なる葛藤の心理描写に読みごたえがありました。皆が同じ夢を共有する超自然現象に導かれて生き残りが集結する、3巻へ。2020/03/17