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文春文庫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 410p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167661335
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

きみの小説をおれの名前で出版しよう。ベストセラー作家の提案に、中堅作家ウェインの心は揺れた。収入は山分け、55万ドルが手に入るのだ。だが条件がひとつあった―ウェインはその作家の妻を殺さねばならないのだ。殺しに狂わされ、徐々に荒廃してゆく人間の内面を描き、傑作『斧』に続いて名匠が放つ戦慄の犯罪サスペンス。

著者等紹介

ウェストレイク,ドナルド・E.[ウェストレイク,ドナルドE.][Westlake,Donald E.]
1933年、ニューヨーク生まれ。コメディ・ミステリの名手として知られるほか、別名義でも多彩なミステリを発表する斯界の名匠

木村二郎[キムラジロウ]
1949(昭和24)年、大阪府生まれ。ペイス大学社会学部卒。英米文学翻訳家、作家、ミステリ評論家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mocha

74
スランプ中の人気作家と、書いても出版してもらえない売れない作家。旧友である二人が偶然再会し、ある契約を交わす。二人のプライドや狡さ、脆さがひしひしと迫ってくる心理サスペンス。野心に満ち満ちた女性たちがいかにもアメリカらしくて怖い。そしてラストが・・!2021/07/10

hit4papa

48
スランプに陥ったベストセラー作家の狂気を描いた心理サスペンスです。売れない作家仲間に依頼した妻殺し。徐々に壊れていく男の姿が凄まじいですね。本作品は、いつものウェストレイクらしいユーモアが見られません。登場人物たちの心理描写に重点を置いた、じっくりと読ませるミステリになっています。ヒトの暗い部分の描き方が際立っていて、特に、妻を殺害する場面の主人公の心の動きは秀逸だと思います。作家の主役に据えていることから、作品を通してウェストレイクのプロットの組み立て方が垣間見えるというお得な作品でもあります。2020/03/07

harass

45
積読本消化。ウェストレイクもう一冊。シリアスな犯罪サスペンスもの。出版社に売れないと見なされた作家は、旧友に出会う。彼は売れっ子作家なのだが離婚騒動で作品を書けなくなっていた。代作をしてくれないかという提案を受ける。ただ条件があって、それは離婚調停中の彼の妻を殺してくれというものだった。  展開が予想できなくてどういう終わりをするのかを残りページを何度も確認しながら読んでいった。心理描写の巧みさに唸るが、全体として自分が望むものとちょっと違い戸惑う。2016/01/24

ネコベス

26
ベストセラー作家のブライスはスランプに陥り新作が書けなくなった。久しぶりに会ったウェインは実力はあるものの目が出ない作家だった。ウェインの小説をブライス名義で発表して金は山分けしようと提案するブライス。さらに条件として離婚調停中のブライスの妻ルーシー殺害を押し付けられたウェインは葛藤の後、覚悟を決める。アメリカの出版事情を踏まえたサスペンス小説。どんなに頑張っても陳腐なアイデアしか出てこない売れっ子作家の苦しむ場面は自身の経験を反映している為か、迫真の描写。ラストは予測は付くが、恐ろしい結末。2019/05/29

けいちゃっぷ

15
原題の“HOOK”は「売り」とか「セールスポイント」というような意味らしい。 妻との離婚係争もあって書けなくなった流行作家と、売れない作家が再会した時に運命の幕が開く。 流行作家は売れない作家の未発表の作品を自分の名で出版し、印税は山分けするという提案をするが、一つ条件があった・・・。 いわゆる嘱託殺人ものだが、ウエストレイクは「その後」の両作家を対比して描いて、楽しくはないが予想を外してくれた。 410ページ 2016/11/07

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