内容説明
イスラム過激派がNY上空で民間機を撃墜。アメリカは即座に報復攻撃に出た。だが何かがキナ臭い。CIA工作員オズボーンは、テロの背後に凄腕の暗殺者“オクトーバー”の影を察知する。やがて頻発する密殺とテロ―すべての背後には何が?“テロの時代”における国際謀略小説の地平を開いた新鋭の冒険小説雄篇、第一弾。
著者等紹介
シルヴァ,ダニエル[シルヴァ,ダニエル][Silva,Daniel]
ジャーナリストとして活躍後、第二次世界大戦下の諜報戦に材をとる長篇「マルベリー作戦」(ハヤカワ文庫)で作家デビュー
二宮磬[ニノミヤケイ]
1945(昭和20)年、静岡県生れ。慶応義塾大学法学部卒業。英米文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Masa
9
読了。ダニエル・シルヴァはハーパーブックスの「ガブリエル・アロンシリーズ」以外で初読。どんなもんかと思い読んで見ましたが、フツーに面白かった。スターシステムというわけではないだろうけれど、見知った名前も出てきてニヤリ。スパイ小説と冒険小説を足して2で割ったようないいとこどりの内容で、読みやすさで言えばル・カレより上。面白さで言えばチャールズ・カミングやミック・ヘロンより好み。折を見て、ダニエル・シルヴァは追いかけていこうと思います。2018/05/09
Stevie G
3
アメリカ側の大統領、側近、CIA、軍需産業、法律事務所、有力新聞、大金持ちの別荘などは、お約束の設定なので、もちろんよく書かれているのですが、あまり目新しくはない一方で、欧州側の、特に暗殺者側の事情、生活、プライド、などが丁寧に描いているのがこの作者の良い所だと思います。ジャン・ポール・ドラローシュも、アストリッド・フォーゲルも、魅力的な人物ですし、作中で言及のある、前作でスコットランド沖合で任務に失敗したアンナ・カタリ-ナ・フォン・シュナイダーも、辛い日々を耐えてきた、実に魅力的な女性でした。2021/07/25
キミ兄
3
うーむ。主人公の強さの理由が今一つしっくりこない。ジャックライアンシリーズとの違い目をもっとはっきりさせてほしかったな。☆☆☆。2017/11/30
gern
1
なんだまた軍産複合体の陰謀か、ラドラム病ってやつだな。後書きが険呑。主人公よりも敵役の元KGBエージェントのほうが良いキャラしてる。2011/05/31
stobe1904
0
絵画修復士のガブリエル・アロンシリーズのダニエル・シルヴァの98年の作品。軍事産業と大統領含む共和党要人たちの謀略、暗躍する元KGBの暗殺者と対峙するCIA工作者といった構図はロバート・ラドラムの一連の作品を彷彿させ、かつ同じように面白かった。イスラム過激派が民間機を撃墜するテロ行為など、911以降の一連のテロ事件を予感させるなど空恐ろしい部分を感じるところなど、このタイミングで読んだためであろうか?ダニエル・シルヴァはアメリカではベストセラー作家だが、日本ではあまり好まれないのが残念。★★★★★2016/07/30