内容説明
極く平凡な会社員の家に育った普通の女性が、ひょんなきっかけでキャバレーのママとなり、やがてお客で店に来ていた、ヤクザの組長と暮らし始める―二十一歳でヤクザの姐さんとして組を切り回し、若い衆を叱りつけ肌には入れ墨を、そして、けじめのために三度、指をつめた。三十三歳でカタギの世界に戻るまでの波乱の人生をストレートに描く。
目次
第1章 私が指をつめたわけ
第2章 地味でおとなしい少女だった
第3章 仙太郎との出会い
第4章 もらい子
第5章 極道の男たち・女たち
第6章 自分が見えない
第7章 試される私
第8章 「ふつう」の生活
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
澤水月
1
02年読。やくざの姐さんにしては心もとなく浮気などで頼まれずとも三度も指詰め… 正直マゾヒストなのだろう。連れてこられた赤ちゃん、鍵かけた部屋に置き去りでよく出かける描写が今なら大問題、虐待だよね…(親分もお前には無理だと子を取り上げる。戸籍とかどうなって今どうしてるのか…)2002/09/26
ミュンヘン
0
昔読んだ本の再読。マジメな女生徒だったのに、不良の妹にだまされ人生を踏みはずし、気づけばヤクザの姐さんとなり、指を三度も詰めるような人生を送ることになった。その後ヤクザの生活から足を洗ったあとは、極真空手に希望を見出し、着付け教室で生計を立てる…。なんという波乱万丈な人生なんだろう。どうしてそれほどまでにふり幅の多い人生を生きたのか。彼女が持っていたエネルギーが大きすぎたのだろうか。2010/11/20
あおい
0
なんか凄かった。”ごく平凡な会社員の家に育った普通の女性”だそうだけど、親は平凡でも環境はそうではなかったみたいだし、”けじめのために三度、指をつめた”なんてあっけらかんと言ってるけど相当壮絶。”三十三歳でカタギの世界に戻る”なんて、こんなにも波瀾万丈人生フツウには到底戻れないよね、表向きはカタギで本人もそう言い張るけど滲み出る893な雰囲気は隠し切れるもんじゃないでしょう。あまりの凄さに打ちのめされたね2021/12/14