内容説明
ホストにハマり、1年間で1500万円つぎ込んだかと思えば、プチ整形に魅せられ、女優顔に変身した女王様。その後も顔面工事は着々と進行し、こりない女王は「豊胸」への険しい道を突き進むことに。好評シリーズもついに完結、今、女王様の最後の聖戦が始まる―。巻末にタカナシクリニック院長との語りおろし「整形」対談付き。
目次
ついに本格整形手術へ(顔面工事は着々と;“二重瞼整形”に着手! ほか)
顔面手術後の女王様は…(思いも寄らない手術のオチ;顔面手術後の女王様は… ほか)
勝利の女神よ、微笑んで!!(地獄の競輪ツアーへのお誘い;勝利の女神よ、微笑んで!! ほか)
いざ、豊胸!その前に…(自分を好きになれない人へ;退屈な自分に用はない! ほか)
成れの果ての果ての果てまで(そこには、愚かな自分がいた;夢にまつわる不安 ほか)
著者等紹介
中村うさぎ[ナカムラウサギ]
1958年福岡県生まれ。同志社大学英文科卒。コピーライター、雑誌専属ライターなどを経て、作家デビュー。ジュニア向けファンタジー小説の分野で活躍する傍ら、自らの壮絶な浪費生活を綴るエッセイストとしても注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
73
【KU】シリーズ通して読み終わって、全く自分とタイプの違う中村うさぎという人が少しだけ解った気がする。自分は醜いという「思い込み」に苦しみ、美しいものに目がない。華美な服、美形ホストにハマり、ここでは整形とダイエットにハマる。ここからは私個人の意見だが、美しい人は優遇され、優遇された結果心に余裕が出て優しくもなれるので、社会で生きていくには外見ってアメックスより役に立つものだと思う。しかし中村うさぎはいつも虚しい。没頭できる趣味がなかったのがこの人の不幸かもしれない。2024/11/17
吉田あや
56
整形を通して自らの中に湧き上がる欲望の正体を掴もうとするうさぎさん。物欲、色恋、整形と自らをもって体験し、内側を描き出す。やってみようと思っても大抵の場合、結局は自意識の壁に阻まれてしまい赤裸々を謳ったエッセイでも、なかなかに人となりは輪郭がぼやけてしまう。うさぎさんや西村賢太さんの文章は誰よりも自分が自分と向き合い、知りたいと心から渇望し、良いも悪いもそのままに偽らざる自分を描き出そうとするからこそ読み手の心を刺し、掴み、離さないんだろう。本当の自分に出会う覚悟が自分にはあるだろうか。2016/05/10
猫丸
9
破滅しそうにないじぶんを破滅させてくれるナニモノかを求めて動くような人。ところがなかなか破滅には至らない。滅茶苦茶な状況においても自意識を吹っ飛ばすことができない。じわじわと悪化する状況にも途中で飽きてしまうのか、適当なところでサーモスタットが働いて重心を持ち堪える。傑出した平衡感覚を持っているんだね。もしもコールドスリープ技術が実用化したら、この人は実験台になるだろうか。なんとなく気が進まないと言いながらも、勢いでやってしまうかも。とにかくウケるか否かが行動基準になっている。その気持ち、よくわかる。2025/01/11
なつき
2
整形の道に入ってからのエッセイはすごく真面目で、人間の承認欲求や他者への妬み・僻み、人間にとっての美醜とは、などなど、、作者の内側からの声がとても濃いものになっています。買い物依存症やホスト狂いでは分からなかったけれど、著者の病的な部分も垣間見えました。1巻から続けて読みましたが、最終巻でだいぶ印象が変わった作品です。2020/02/18
fengui
2
ここまで赤裸々に書けてしまうのがすごい。