内容説明
世界にその名を轟かす大映画監督を父にもつとは、一体どういうことなのだろう?『七人の侍』製作打ち上げの日に生まれ、父の晩年の15年間、黒沢家のシェフを務めたがゆえに描くことができた巨匠の素顔、そして父娘の愛情物語。家庭人クロサワの生態を初めて捉えた本書は、作品鑑賞の確かな助言ともなろう。
目次
第1章 狛江の家から
第2章 とんでもない家族
第3章 黒沢明が愛した女たち
第4章 カンヌへ
第5章 娘の幸せ
第6章 黒沢明の生態
第7章 夢
第8章 枕許の日々
第9章 お別れの会
第10章 雨あがる
著者等紹介
黒沢和子[クロサワカズコ]
1954年、東京生まれ。衣裳デザイナー、(株)黒沢プロダクション取締役。成城学園高校を中退後、SUNデザイン研究所、伊東衣服研究所を卒業。ファッション関係の仕事に従事しつつ、90年『夢』から黒沢明の三作品で衣裳デザインを担当し、その後も『雨あがる』『海は見ていた』『阿弥陀堂だより』『たそがれ清兵衛』『座頭市』などを担当、確固とした地位を築く
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感想・レビュー
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槙
3
映画「夢」は日照雨と雪女が怖くて大好き。裏話が色々読めて満足感がある。巻末の年表で確認したのだが「羅生門」が公開されたのは昭和25年で終戦のわずか5年後。翌年ヴェネチア国際で金獅子賞を、翌々年には米国アカデミーで特別賞をとったわけで敗戦から十年も経ず世界に愛される作品が生まれたことは、いま、日本の映画が海外の映画祭で賞をとるよりももっと当時の日本人にとって大きなことだったんだろうなと思う。全編通して黒澤監督と黒澤組の映画が大好きって気持ちが溢れていて、映画を見たい気持ちになった。2015/08/23
ひでまろ
1
家に帰ると黒澤明がいるってちょっとすごい。楽しい想い出を中心に綴られていますが、それはそれで大変だったんだろうなぁ。スペシャルな日々に違いはないのだろうけれど。2012/02/22
Shusaku Onozuka
0
父の娘に対する愛情も伝わるけど、それ以上に作者が父親を尊敬し、愛していたんだなと思った。男同士と言ったお兄さんから見たありのままの黒澤明監督の話も聞きたいな。2014/03/19