内容説明
小説が発表されて以来、映画や歌の題材となり、深く日本人の心に浸透することとなった「無法松」。しかし、あのお馴染みのキャラクターは、戦後の自由と民主主義のもと、変容をとげたものだった。その変容を独得の民俗学的視点で捉え、この国の男らしさをめぐる領域と、リアルな歴史の再生に挑んだ意欲作。
目次
道よぎる雲の影のように―“松のおいちゃん”の方へ
無松法、一九三〇年代の岩下俊作に舞い降りること
岩下俊作、無法松捜しの世間に辟易すること
岩下俊作、細部に至る確かさを重ねること
岩下俊作、「力」を宿す風景に瞠目すること
無法松、異なる近代をとっととっとっ、と駈けること
無法松、民俗調査されて自己疎外の祇園太鼓を打つこと
無法松、異国人の視線を有する森鴎外に説教すること
無松法、さらに桃中軒雲右衛門を乗せて走ること
無法松、さまざまに複製され読み直されてゆくこと
吉岡良子、戦後民主主義にかりそめの自立を獲得したりすること
ハナ肇、無法松と化し戦後民主主義を戦車で通りすぎること―無法松の戦後的変貌
著者等紹介
大月隆寛[オオツキタカヒロ]
1959年生まれ。民俗学者
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