文春文庫
国まさに滅びんとす―英国史にみる日本の未来

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 343p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167656454
  • NDC分類 302.1
  • Cコード C0195

内容説明

政官の腐敗、出口の見えない不況―日本はこのまま衰亡の一路を辿るのではないかという不安を誰しもが感じている。宿命的に襲いくる衰退の危機に、かつて先進国はどう対処したのか。『大英帝国衰亡史』で毎日出版文化賞・山本七平賞を同時受賞した気鋭の論客が歴史に読み解く「国家再生のノウハウ」とは。

目次

第1部 大国の盛衰に見る日本の未来(大国の繁栄と衰退のリズム;我々は二十世紀を生き延びられるか?―初めて衰退を意識するとき;大英帝国衰退の原因と現代日本―改革の挫折をめぐる教訓)
第2部 指導者の群像(帝国の滅びるとき(ハロルド・マクミランとその時代)―退却のリーダーシップ
サッチャーに改革宰相の理想型をみる―信念の政治と柔軟な手法の組み合せ
「トニー・ブレア」―新世代のリーダーシップ)
第3部 国際社会での生存の「知恵」と「文化」(同盟の衰微するとき―世界における日本の「危うさ」;「パクス・アングロ=アメリカーナ」の考察―エリートの知性と使命感、我々に欠けるもの;国家生存のソフト・ウェア―大英帝国を支えた「知恵の戦略」)
日本にとっての意味

著者等紹介

中西輝政[ナカニシテルマサ]
昭和22(1947)年、大阪に生まれる。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、米国スタンフォード大学客員研究員、三重大学助教授、静岡県立大学教授を歴任し、現在、京都大学総合人間学部教授、同大学院人間環境学研究科教授を兼任。論文「日米同盟の新しい可能性」(’89年)で第11回石橋湛山賞を、『大英帝国衰亡史』(’97年)で第51回毎日出版文化賞・第6回山本七平賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

30
20世紀のイギリスに対する分析はわかりやすく面白かったです。また日本の衰退は外的な単発の事案が要因ではなく、戦略や公共的精神性の欠如であるというのはその通りだと感じました。それを改善しないと衰退は一時的なものではなく当面続くのは、現状を観ると当たっていると思います。2023/03/02

しんこい

8
20世紀初頭の英国の状況と80年代アメリカ、さらには今の日本と共通項たくさん、かの国はリーダーやヴィジョンで蘇ったが、かたや日本は知見あるリーダーもなく、現状悪くないと先送りか。作者の憂いまさにあたりつつあり。2019/10/02

jiangkou

3
途中で読み捨てるか、と思ったが前半、中盤意外と面白かった。特に歴史をとおし未来を見るという視点は共感できる。が、いかんせん、本としての面白みや、未来を見通す卓見はなく、単にイギリス衰亡の歴史を見据えた本、かな。2016/08/07

バルジ

2
『大英帝国衰亡史』や『アメリカ外交の魂』等優れた歴史評論を出す中西輝政氏の現代日本を主な対象とした歴史評論。英国の「衰退」の歴史から我々は何を学べるかを深く問う。本書はあまり取り上げられないハロルド・マクミランの評伝など類書とは一味違う視座からの評論が多いが、白眉は第九章であろう。イギリスの「ソフトウェア」たる貴族の文化的基層とそのパラドクスに満ちた思考回路を本章ではあぶり出す。衰退を一筋に見るのではなく「いかに長く持たせるか」という攻めの退却思考は興味深い。2023/03/21

脳疣沼

2
経済は勝つことが重要で、余計な理念は邪魔であるという現実主義。そして、極端に触れずに宙ぶらりんの状態に耐える、或いは、楽しむ中庸の美学が必要であるとする。全く同感である。しかし、結果論ではないかと思わなくもない部分も多く、歴史の教訓を現実に活かすのは至難の技である。しかも運も重要な要素なので、なおさら難しい。とりあえず、地震対策とか北朝鮮のミサイル対策とか予測されてるものぐらいのことに対しては万全の備えを求めたい。2016/08/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/392797
  • ご注意事項