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文春文庫
オウムと私

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  • サイズ 文庫判/ページ数 575p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167656171
  • NDC分類 169.1
  • Cコード C0195

内容説明

私は、父が医師、母が薬剤師の開業医の家庭に、六人兄弟の五番目として、昭和二十二年一月二十三日、東京で生まれました。―そして四十八年後の三月二十日、地下鉄でサリンを撒くに至るまで、優しく有能な心臓外科医は、なぜオウムに入り、狡猾な教祖に騙されていったのか。獄中で全存在を賭して綴った悔恨の手記。

目次

第1章 医師になるまで―一九四七年一月二十三日~一九七一年三月
第2章 阿含宗との出会い―一九七一年四月~一九八四年二月
第3章 オウム真理教入信―一九八四年二月~一九九〇年四月
第4章 出家生活―一九九〇年五月~一九九三年十二月
第5章 「踏み絵」と「慣らし」―一九九四年一月~一九九四年十二月
第6章 假谷さん事件まで―一九九五年一月~一九九五年三月一日
第7章 地下鉄にサリンをまく―一九九五年三月二十日
第8章 逃亡、逮捕、そして自供―一九九五年三月二十一日~一九九五年五月六日

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

i-miya

55
2014.02.22(02/22)(再読)林郁夫著。 02/22 (カバー) 父は医師、母は薬剤師、6人兄弟の5男として東京にS22.01.23、生まれた。 48年後、3/20、サリン撒くまで、獄中手記。 ◎医家に生まれて。 父、農家の次男坊、農作業の傍ら、苦学して医師の資格を取る。 川崎方面の町の焼けるのを背景に、国道を馬が駆けていく物悲しげな光景を語る母。 紙芝居屋。 調剤室のつり銭いれからお金を盗み、芝居の後を追いかけた。    2014/02/22

テツ

28
サリンによる無差別テロの実行犯のうちただ1人死刑判決を受けなかった著者による手記。インテリであり(周囲の話を聞く限り)優しく生真面目な彼が何故あのような凶悪な無差別殺人を犯したのか。難しいことなのは百も承知だけれど人間は他者に自分を委ねてはならない。辛くても苦しくても生きる意味が解らなくても自立と自律だけは放棄してはならない。善も悪も己の思考の果てに為すのならそれはそれで仕方ないことなのかもしれないが間違っても松本のような人間の腐れきった考えに支配されてはならない。知能と人格の浪費が残念でならない。2018/07/08

黒猫

20
地下鉄サリン事件。実行犯として唯一の無期懲役。他は死刑執行された。学生時代から仏教の真理を学びたいと言う気持ちをもち、オウム真理教に入信。マスコミは洗脳という言葉で片付けたがるが、林郁夫には理想の仏教の真理を体現する母体、人が欲しかったんだろう。それがオウム真理教であり麻原彰晃であった。人間は皆が弱い。それに目をつぶらずに思考を続けると、彼のように優柔不断となり迷う。地下鉄に乗ってサリン事件を実行するまでの葛藤。描写がリアル。今は皆が死刑執行された。麻原彰晃と村井秀夫の話が聞きたかった。なぜ起こしたか?2018/08/02

i-miya

11
ドリトル先生の話。吉川英治『神州伝馬侠』“六部”の格好。 仏教-“教相判釈”。 釈迦が大鹿だったとき、山火事で逃げ惑う動物たちのため、自分自身の身体を谷や川や橋として渡し、動物たちを渡し終えて、自らは死ぬという物語に心を揺さぶられた。 世の中のすべてを包括的にかつ総合的に説明できて、解決に導くような規則はないものか。

雲をみるひと

10
元オウム真理教の出家信者で地下鉄サリン事件の実行犯の半生記一見するとエクスキュースしてるような表現も見えるが純粋かつ他者への依存性が高いと思われる作者の性質から基本的に真実だと思われる。作者が直接関わった仮谷さん事件、地下鉄サリン事件以外のオウムの起こした事件には作者が知らなかったのかほとんど触れられていない。しかしながら教祖だった松本の一面はよくわかる。2020/03/28

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