内容説明
アパレルメーカー新入社員の仲江翠は、入社後すぐにエリート課長との不倫が始まったが、しばらくして同期で課長の部下とも交際。きちんと仕事もこなしつつ、ゲーム感覚の恋愛を楽しんでいた。だが、同じように社内不倫をしていた女子社員に思わぬ事件が発生。それを機に翠の恋愛ゲームにも暗雲が立ち込める。
著者等紹介
乃南アサ[ノナミアサ]
1960年東京生まれ。早稲田大学社会科学部中退後、広告代理店勤務を経て、1988年「幸福な朝食」が第1回日本推理サスペンス大賞で優秀作に選ばれデビュー。1996年「凍える牙」で第115回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tsuyoshi
72
バブル時代、上司との不倫中にゲットした将来有望な同期の彼氏との二股恋愛を楽しむ主人公の翠と社内の女性達の恋愛を描いた作品。文章自体は読みやすく、サラッと読めた。恋愛をゲームとして楽しんでいたはずなのに待ち構えていたのは深い孤独と見たくない現実だったという、自業自得としかいいようのない感じオチだったが、リハーサルと言い切る主人公の開き直りに強さと怖さを感じた。2017/12/24
Take@磨穿鉄靴
57
なんだかなあ。バブルの頃のお話なのかな。恋愛をゲームと言い切る主人公をかわいそうだねと感じる。限りある輝いてる時間を捧げるにはリスクが大きすぎる。まあそれが俯瞰出来ないのが若さなのかもしれない。あと作中に魅力的な人物が一人も出てこないのもある意味すごい。カメはどうなったのか…。★★☆☆☆2019/07/16
mazda
35
「家庭」って大切な「居場所」なんだな、と改めて思った。居場所があるって、本当に幸せなことなんだな、と。2013/09/10
あやっぴ
28
登場人物がどいつもこいつも酷すぎて嫌悪感でいっぱいだった。逆にそれで、先がすごく気になりながら読み進めた(笑)特に主人公の翠。こんなにも身勝手で性格が悪い女は幸せになれるはずがない。騙される男も男!個人的には翠が八つ当たりで飼ってるカメを虐待するシーンがすごくイヤだった。ストーリーとしては面白かったのだが。2019/01/20
グリーンクローバー☘
23
バブルの昔の「オフィスラブ」。オフィスラブ自体私語になるくらいな古い内容だけど面白くスラスラ読めた。翠は母親が再婚して帰るところもなく、東京の寂れたアパートに住んでそこそこな幸せを手に入れたいOL。将来は結婚して地味な暮らしをすることも念頭にあって、その時に思い出したい恋愛を楽しもうとしている…。私は翠を否定的に見れなかったなぁ。若い彼氏の恭一郎が嫌い。不倫相手の上司も家庭かえりみずで嫌い。翠のほうがよほど可愛いわ。2019/06/08