内容説明
「あいつから逃げなきゃ!」執拗に追ってくる男の影に脅えつつ、逃亡を続ける花屋の店員、三田村夏季。同じ頃、神奈川県下では不可解な連続女性殺人事件が起こり、刑事部長・小田垣の苦悩の日々が始まった…。追う者と追われる者の心理が複雑に絡み合い、やがて衝撃のクライマックスへ。傑作長篇ミステリー。
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- 評価
Tsuno本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tsuyoshi
75
とある男に追われつつ職を転々とする花屋の店員・夏希と連続殺人を捜査する捜査本部長の小田垣の視点で交互に描かれるストーリー。後半一気に繋がりをみせるまで夏希て小田垣がどう繋がっていくのか分からず、解説にもあった通り「混迷」させられてしまった。崇高にも残虐にもなれるのが人間。偏ったイメージで思い込むとしっぺ返しを喰らってしまうな。2017/11/20
えみ
57
「嘘でしょ」と息を呑む。どんでん返しの後の衝撃的な結末を…、暗い予感を拭いきれないアナウンスを…、この解決した事件の後でどんな気持ちで受け止めればいいのか。消えた花嫁、追われる女、執拗に追う男、連続殺人犯、回想される苦い昔の記憶、解き放たれた本当の顔、事件を追う刑事、沈黙の狂気。何もかもが重なり乱れて縺れあい、悍ましい事件の真相が浮かびあがってくる。時折挟まれる誰かの回想。この回想、危険信号が激しく点滅するように徐々に濃さを増していく。そして最終頁!読み切って良かったと思えた。捻くれた結末、嫌いじゃない。2023/12/24
NAO
54
花屋の店員三田村夏希のパート、連続女性殺人事件を追っている神奈川県警小田垣刑事部長のパート、小田垣の行きつけのバーで働き始めた摩衣子のパート、さらに連続殺人事件の犯人(誰かはわからない)のパート、誰だかわからない(でも察しはつく)人物の幼少期の回想と、話はひどく入り組んだ状態で進み、誰と誰がどういう関係だったのかが分かったときゾクッとし、ラストで追い打ちをかける。2024/11/24
Qちゃん
52
少しずつ少しずつ話が繋がり、後半になるにつれ独特な怖さも感じながら楽しめた。乃南さんらしい怖さが、面白かった。それにしても、最後の1ページ…「え??」と声が出た後、ザワッとした。2017/08/27
カーミン
48
連続女性殺人事件が起こった。捜査本部長の小田垣は、その不可解な事件の謎を追い続けるが、犯人はなかなか尻尾を出さない。苦悩の日々を費やす小田垣。シリアルキラーをあぶりだすサスペンスかと思いきや、ストーリーは思わぬ展開を見せる。そして、ラストの1ページ!思わず背筋が冷たくなりました。2018/02/28
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