文春文庫<br> ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争〈下〉

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文春文庫
ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 621p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167651831
  • NDC分類 221.07
  • Cコード C0198

出版社内容情報

スターリンが、毛沢東が、マッカーサーが、トルーマンが、金日成が、そして凍土に消えた名もなき兵士たちが、血の肉声で語るあの戦争。

内容説明

「Die for a tie」(引き分けるために死ぬのだ)―中国参戦はないというマッカーサーの誤算が引き起こした消耗戦。この凄惨な戦争の始まりから終結までを、膨大な資料と生還した兵士たちのインタビューで詳述、その歴史的意義を新たな視点から照射する。ハルバースタムが10年の歳月をかけて取材執筆、最後の作品にして最高傑作。

目次

第7部 三十八度線の北へ(承前)
第8部 中国の参戦
第9部 中国軍との戦い方を知る―双子トンネル、原州、砥平里
第10部 マッカーサー対トルーマン
第11部 結末
エピローグ なされなくてはならなかった仕事

著者等紹介

ハルバースタム,デイヴィッド[ハルバースタム,デイヴィッド][Halberstam,David]
作家。アメリカが生んだ最も偉大なジャーナリスト。1934年生まれ。1955年にハーバード大学を卒業後、『ニューヨーク・タイムズ』入社、ベトナム特派員としての経験と広範な取材をもとに、ケネディ政権がベトナムの悲劇に突き進む様を描いた『ベスト&ブライテスト』(1972年)で大きな賞賛をあびる。以降、徹底したインタビューと、エピソードを積み重ねるニュージャーナリズムと呼ばれる手法で、アメリカのメディア産業の勃興を描いた『メディアの権力』(1979年)、日米自動車戦争を描いた『覇者の驕り』(1986年)など、骨太な現代史のテーマを次々とものにした。2007年4月23日、交通事故で死亡

山田耕介[ヤマダコウスケ]
1935年生まれ。元東京新聞・中日新聞記者。香港支局、マニラ支局長などを経て翻訳業

山田侑平[ヤマダユウヘイ]
1938年生まれ。元共同通信記者。ニューヨーク支局員、ブリュッセル支局長など歴任。人間総合科学大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

46
下巻は生々しい戦場のシーンがかなりを占める。当然のことながら、はるかに多くの犠牲者を出した中国兵たちがどんな思いで戦っていたかは示されないが、捕虜になったもののうち帰還を望んだのが1/3だという。司令官の彭徳懐に対しては高評価で、これは毛沢東との対比もあるかもしれない。クライマックスはマッカーサー解任とその後の顛末で、彼の伝記(中公新書で読んだ)より辛辣。その他の将軍についても、見栄や昇進欲で事実を直視しない者がいたことが示されており、そうした傾向は日本軍に固有ではなかったことが分かる。2020/01/24

hayatama

6
あたしがまだ学生の頃、まだ20世紀だったのだが、アメリカ史を学ぶ中で、今世紀最も偉大な大統領は?という問いに、過半数以上のアメリカ人が、ケネディと答えた、同じ問いを歴史学者、政治学者にぶつけると、多数を獲得したのはトルーマンだった、という記述を見たことがある。 この「不人気な戦争」を戦った「不人気な大統領」の評価がなにゆえ、それほどまでに高いのかは、本書を読めば自明である。トルーマンもまた、歴史の審判ということを強烈に意識していたことが明らかにされる。そして、本書最終盤で、この不毛な戦争によってもたらされ2012/08/22

チャゲシン

3
乾坤一擲の仁川上陸作戦が成功し、38度線を回復した米軍は、しかしまたしてもマッカーサーの驕りから中国の参戦を招きダンケルク的窮地に陥る。リッジウェイ将軍を現地指揮官にしてから盛り返すも、泥沼の戦況と汚名挽回の為、国家の意志に反して全面戦争を主張するマッカーサー、、、。果たしてこの戦争にどうやって区切りをつけて停戦に漕ぎ着けたか。誰と誰の政治的立場や思惑、世論、しがらみ等、深い部分から検証を試みた朝鮮戦争史研究の決定版下巻でございます。読むの大変でした2019/07/08

Miyako Hongo

3
歴史にifはないというけれど、もしあの時代日本にいたのがマッカーサーじゃなかったら、今のアメリカは世界の警察じゃなかったかもしれない、と思わされた。いや、工業生産で資本主義の帝国になってただろうから、結果は同じだったのかな。□マッカーシーの赤狩りにより、アメリカ政府内に共産主義に対する強硬姿勢が求められ、台湾政府への肩入れが是認され、そしてマッカーサーは戦争による名誉を望んでいた。中国は植民地からの脱却を求め、ロシアは漁夫の利を求め、結果死ななくていい兵士が死ぬ。“司令部と現場の断層“で片付く話じゃない。2016/07/23

Ryo

2
奢れる者は久しからず。 マッカーサーも毛沢東も成功体験から奢り、より悲劇的な失敗へと引き込まれて行く。 哀しいのは、いつも現場に居ない上位の人間が足を引っ張り、現場の人間の命をいたずらに浪費し続ける事だ。 延々と繰り返される事だが、高い地位とその恩恵に預ろうとする周囲の人間によって人は盲目になり、道を踏み外していく。 リッジウェイ将軍が着任してからの米軍の立ち直りは爽快。 やはり自ら現場に目を配り、現実を直視しながら采配しないと上手くは行かないのだろう。 遠くから管理、采配しようとする事はとても危険だ。2017/07/07

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