内容説明
ワールドカップは、単にテクニックを競うサーカスでも、体力を試す競技会でも、駆け引きだけで勝てる勝負事でもない。様々な運・不運が織りなす濃厚な人間ドラマをも楽しんでこそ、本当の面白さがわかるのだ。ワールドカップを彩った数々の名ドラマを振り返ってみよう。岡田武史・元日本代表監督との特別対談を新たに収録。
目次
「ドーハの悲劇」もしくは神の教訓
地域予選 復活と転落のドラマ
観戦の初心者が目覚める時
一次リーグの罠にはまったデンマーク
イタリアのシニシズムと八百長の誘惑
FIFAの世界戦略 目標は北米、そしてアジア
強豪が激突する決勝トーナメント一回戦
神の造りたまいし偶然のチーム
PK戦 悪魔のルシアン・ルーレット
三位決定戦 決勝前日の余興?
決勝戦 夢から覚める時
著者等紹介
後藤健生[ゴトウタケオ]
1952年東京生まれ。慶応義塾大学大学院博士課程(政治学)修了。1964年東京オリンピックで初めて試合を見て以来のサッカー狂い。ワールドカップは74年西独大会以降すべて観戦している。国際サッカー歴史記録学会(IFFHS)運営委員。日本サッカーライターズ協議会理事。著書に『サッカーの世紀』『アジア・サッカー戦記』(以上文芸春秋)『ワールドカップ』(中央公論新社)『ヨーロッパ・サッカーの潮流へ』(双葉社)など多数
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感想・レビュー
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KF
9
どうやら3回目だった。2回目の時の感想とそれほど変わらない。好著だと思うが所々強過ぎる感のある主観に同意出来なかったりして…面白くて一気読み、とはならずむしろ「長いな」と思いながら読んだ。96年の著なのでその後似た切り口の書にも頻繁に出会ってしまったのだろう。この時点で既に肥大化してしまっていたW杯だが今となっては制御不能な程の化け物。観るこちら側の心も成熟してしまいクラブ>代表なので感心、共感が持ちにくくなっているのも確か。 それでも今はサッカー含めスポーツ興行は振り返るしか楽しみようがない。2020/05/03
KF
9
「坂の上の雲」を読んでいる途中だが、第3巻をどこかに置き忘れ。そんなタイミングでたまたま自分の部屋の本棚で見つけた本。一度読んでいるはずだし読みだすと頭に刻み込まれた内容が次々と。司馬遼太郎作品だと「あれ?こんな事書いてあったっけ?」と思う事が多いが…。書かれたのは94年のアメリカ大会直後、まだ日韓共催が決まる前。ところどころピッチ上の技術的な話題では疑問符がつくような気もするが全体としてはワールドカップの本質が良く理解できる好著だと思う。2018/06/18
c3po2006
0
★★★★2014/06/29