文春文庫
蝦夷拾遺 たば風

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  • サイズ 文庫判/ページ数 299p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167640095
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

将来を誓い合った男女に降りかかった突然の災難。だが、長い年月を経たのち、深い絆で結ばれたふたりに奇跡の刻が訪れた―極寒の二月に松前地方に吹く北北西の季節風「たば風」をモチーフとした表題作をはじめ、函館在住の著者が、幕末の蝦夷・松前藩を舞台に描いた、郷土愛あふれる六つの短篇集。

著者等紹介

宇江佐真理[ウエザマリ]
昭和24(1949)年北海道函館市生まれ。函館大谷女子短期大学卒業。函館在住。平成7(1995)年「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。『幻の声 髪結い伊三次捕物余話』及び、『桜花を見た』『紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話』『雷桜』『斬られ権佐』『神田掘八つ下がり』は直木賞候補となる。『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞、『余寒の雪』で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

510
幕末から明治にかけて、舞台は蝦夷松前藩、時代にもまれ、激動期に生きる(主に)女たちの物語。しなやかで強かな彼女らが愛おしいのだが、『恋文』での「みく」の心の動きがわたしには理解不能だった…女っていったんダメとなると、とことんダメなので。史実が絡むせいもあったか、いつもよりは歯応えのある仕上がり。わたし自身、宇江佐さんの未読はあといくつなのだろうかと、名残惜しい読後感だった。2021/06/13

ふう

78
大きな歴史の転換期。わたしたちの目は「できごと」に向きがちですが、そのできごとの陰には当然ながら人々の暮らしがあり、思いがあります。宇江佐さんは、ともすれば見過ごされてしまいそうな、そんな暮らしや思いにあたたかい光をあて、慈しむように描き出します。苦しみや悲しみもあれば希望もあり、失われる命もまっすぐな愛もあり、人々は「生きていた」。そのことを忘れないでほしいと、作中の柄杓星のように、わたしたちに大切なメッセージを送ってくれます。『蝦夷拾遺』宇江佐さんの故郷によせる強い思いがこめられた作品でした。2023/07/05

もんらっしぇ

70
改めて表紙を眺めてタイトルに「蝦夷拾遺」と銘打っているのを、このレビューを書く段になって初めて気が付くという情けなさ(>_<)函館在住だった作者が風雲急を告げる幕末の蝦夷地・松前を舞台に歴史的事実を踏まえつつ、動乱のさ中、男女・身分に関係なく平等に降りかかる運命の悪戯に翻弄されながらも懸命に生き抜く、あるいは死んでゆく(>_<)人間模様を描く短編集。どうしようもなく心揺さぶられ切なくなる物語の数々。巻末の「文庫のためのあとがき」にて宇江佐さん自ら述べていますが作者の郷土愛が書かせた作品集だといえましょう…2022/04/04

kei302

63
幕末の蝦夷・松前藩を舞台にした短篇集。 「たば風」とは、北西から吹く強い季節風のこと。 西條奈加さんの新作に出てきた最上徳内を扱っている「錦衣帰郷」を読んだ。西條さんの作品とは視点の当て方や年代、立場が異なっていて、「偉くなった」徳内を迎える故郷の人たちの心境が細やかに描かれている。いい作品だ。文字の細かさで他は挫折。インクも薄いのは何故(×_×)目の調子がよいときに再読します。 2022/03/06

56
幕末の蝦夷、松前藩を舞台にした短編集です。江戸の市井ものとはちょっと違って堅苦しい感じがしたけれどすぐに引き込まれてしまいました。訛りのきつい会話も新鮮で楽しめました。表題作の「たば風」と「恋文」が好きかな。ずっと嫌いだったひとに恋文を書くってすんごい難しそうだけど、とっても素敵。右京さんお手柄です。2016/05/10

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