出版社内容情報
女は薮で蛇を踏んだ。蛇は女になり食事を作って待つ。母性の眠りに魅かれつつも抵抗する、女性の自立と孤独。芥川賞受賞作他二篇
内容説明
藪で、蛇を踏んだ。「踏まれたので仕方ありません」と声がして、蛇は女になった。「あなたのお母さんよ」と、部屋で料理を作って待っていた…。若い女性の自立と孤独を描いた芥川賞受賞作「蛇を踏む」。“消える家族”と“縮む家族”の縁組を通して、現代の家庭を寓意的に描く「消える」。ほか「惜夜記」を収録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
421
再読。3つの短篇を収録。篇中の表題作『蛇を踏む』は1996年上半期芥川賞受賞作。当時は、これまでにはないまったく新しいタイプの小説だっただろう。もちろん、今でも川上弘美の作品は強い個性を放ち、独特の位置を占めているのだが。ご本人によれば「うそばなし」ということになるのだが、その「うそ」の奇妙なリアリティにこそが、まさにこの人の作品世界の固有性なのだろう。そして、文体のしなやかさが、それを支えている。しかも、しなやかでありながら存外に強靭でもあるのだ。不連続線を一気に飛び越えて世界を構築してしまうのだから。2013/06/11
さてさて
233
“「うそ」の好きなかたがいらしたら、わたしの作った「うそ」の中でちょっと遊んでみてはくださいませんでしょうか”、と語る川上弘美さん。そんな川上さんが芥川賞を受賞された表題作を含む3つの短編が収録されたこの作品には、読者の想像力を試すかのようなキョーレツ極まりない物語が描かれていました。今から30年以上も前の作品とは思えない新しさを感じるこの作品。振り落とされそうになることに、必死に食らいつくスリリングな読書が楽しめるこの作品。”うそばなし”の魅力に、どっぷりハマってもしまう、インパクト最大級の作品でした。2025/12/19
遥かなる想い
213
川上弘美の芥川賞受賞作を再読した。喪失の世界はやはり夏ではなく、冬に読むべきだった。2010/08/21
やっさん
198
★★★ え、なにこれ、ホラー???意味不明。解釈不能。情景も自由に膨らまない。・・・でも、魔術のような表現力と言葉選びで、たちまち夢想の世界に引きずり込まれた。こりゃ妙な経験をしたなぁ。2018/04/20
hit4papa
185
「本当」の中に「うそ」を持ち込んで、その「うそ」を「本当」の遊び場にしてしまうというテーマパーク的な感覚が素敵です。穿った見方をせずに、川上弘美さんの「うそばなし」を楽しみましょう。
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