内容説明
評定所留役としてエリート街道を驀進していた拝郷鏡三郎は、幕閣内での政争に巻き込まれて失職。いわゆる縮尻後家人となってしまう。上役の勘定奉行の世話で、現在は捕縛した者を取り調べる「大番屋」の元締だ。出世の道から外れたものの、江戸に暮らす人々のよろず相談事が持ち込まれ、大忙し。好評シリーズ第二弾。
著者等紹介
佐藤雅美[サトウマサヨシ]
昭和16(1941)年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。会社勤務を経て、43年よりフリーに。60年、処女作「大君の通貨」で、第4回新田次郎文学賞受賞。平成6年、「恵比寿屋喜兵衛手控え」で、第110回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kei302
58
元お隣さんの婿殿 三九郎がいい味出してます。それなりに問題もあるのですが…。人が良くて、まめ。で、脇が甘い。甘々で、義父の拝郷鏡三郎の悩みは尽きない。 遂に押し込めの罰まで受け、娘の知穂との夫婦仲はどうなるのでしょう。再読ですっかりはまってしまった。次、行きます。2021/12/23
優希
47
落ち着きがあると思います。失職し、様々な問題が起こるものの、安定した感でした。面白かったです。2020/11/30
Hironobu
9
婿養子の三九郎は脇が甘く様々なトラブルに巻き込まれる。そりゃお知穂ちゃんも腹かくわな。この巻では「無尽」や「入れ子」の仕組みがよくわかる。2017/03/19
ひかつば@呑ん読会堪能中
9
蘊蓄の後は特になんだが、どうしても居眠り紋蔵が頭に浮かんでしまうなぁ。武家同士あるいは町人がらみの難事を、ひとヒネリして唸らせながらも白黒はっきりしていない余韻を残したオチは紋蔵シリーズと瓜二つだ。だけど、時代劇の遠山の金さんと大岡越前を見て楽しむようなもんで、何とも言えない面白さがあるからついつい続けて読むんだよね。2013/06/28
めにい
6
このシリーズ、それなりに事件を解決しようと努力する鏡三郎の態度も好きだけど、最後に偶然やら変な落ちがついて奇妙なおかしみを見せるところが好き。ついふふふって声に出して笑ってしまう。2012/07/26
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- 和書
- 現代に生きる内村鑑三