文春文庫<br> 名残り火―てのひらの闇〈2〉

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文春文庫
名残り火―てのひらの闇〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 458p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167614065
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

堀江の無二の友人・柿島が殺された。謎に満ちた死に疑問を持った堀江は調査に乗り出す。病床の著者が最後までこだわった傑作長篇。

内容説明

飲料メーカーの宣伝部課長だった堀江の元同僚で親友の柿島が、夜の街中で集団暴行を受け死んだ。柿島の死に納得がいかない堀江は詳細を調べるうち、事件そのものに疑問を覚える。これは単なる“オヤジ狩り”ではなく、背景には柿島が最後に在籍した流通業界が絡んでいるのではないか―。著者最後の長篇。

著者等紹介

藤原伊織[フジワライオリ]
昭和23(1948)年、大阪府生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。大手広告代理店に勤務の傍ら、執筆活動を始める。昭和60年に「ダックスフントのワープ」ですばる文学賞を受賞。平成7年、『テロリストのパラソル』で江戸川乱歩賞、翌年には同作品で直木賞受賞。平成19年5月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

195
「堀江課長」シリーズ第2作です。作者さんが存命なら、次も書かれていたかもしれないと思わせてくれる、ステキなハードボイルドミステリーです。前作同様、優秀な部下(相棒?)「大原」を従え、'お転婆'なバーテン「ナミちゃん」も引き続き登場し、今作はなんといっても取引先の「三上」社長のキャラが際立って、話の展開を引き締めてくれます。ハラハラドキドキではないものの、読む側をアッと言う間に惹き付けるその文章の素晴らしさにはひたすら敬服します。もっと作者さんの作品を読んでみたかったと思わずにはいられない作家さんですね。2017/12/24

佐々陽太朗(K.Tsubota)

146
とうとう読んでしまいました。一作だけ読まずにとっておいた藤原伊織氏の遺作。本作を読めば藤原氏にお別れを言うことになりそうな気がしたためである。こっぱずかしい感傷と笑われてもしかたがない。もう一度、藤原伊織氏の世界を通読するつもりです。次は『雪が降る』にしよう。もちろん「紅の樹」を読むために。2016/01/11

KAZOO

128
藤原さんの「てのひらの闇」の続編です。友人で会社に残った人物が被害にあって死んでしまい、ということでその原因を探っていきます。その友人の奥さんがニューヨークにいたときのことが遠因となって今回の事件に、ということで少し「テロリストのパラソル」を思い出しました。主人公の周りの人々が楽しい人が多く、楽しめます。これが最後の長篇になったようですが、生きておられたら更なる続編が出たという気もします。2017/12/27

おくちゃん🌸柳緑花紅

112
「てのひらの闇」の続編であり、藤原伊織さんの遺作、素晴らしい作品、タイトルも又沁みる。名残り。。。男が惚れる男は女も惚れる‼親友の死、親友の奥さんの最後の行動。切ないラストに、ビックリなオマケ。ナミちゃんのお店のカウンターの一番奥の席で四人に優しい眼差しを向ける作者を感じるのは私だけではないとおもう。ご冥福を祈りつつ、未読の作品を読んでいこうとおもう。2016/03/13

じいじ

110
伊織氏が残した最後の長編は『てのひらの闇』の続編です。親友の突然死の一報で幕が上がる。新宿の駐車場で未成年グループに暴行を受けて死亡の新聞記事が…。主役は、一匹狼マーケティングのプロ堀江と夫もちの美人・大原女史の二枚看板は前作に続いて健在。それにスキンヘッドの強面・豪傑社長が活躍します。堀江と相棒の犯人探索がこの小説の本筋。最近騒がしいコンビニ業界の不協和音を予言するかのように流通業界の裏情報も…。伊織氏の遺作、骨太の社会派ビジネス小説は、ちょこっと恋の匂いも加わって読み応え充分で面白いです。2019/05/28

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