文春文庫<br> シリウスの道〈下〉

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文春文庫
シリウスの道〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 329p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167614041
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!広告業界の熾烈な競争と、男たちの矜持を描くビジネス・ハードボイルドの結末は。

著者等紹介

藤原伊織[フジワライオリ]
昭和23(1948)年、大阪府生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、大手広告代理店に勤務の傍ら、執筆活動を始める。昭和60年に「ダックスフントのワープ」で、第9回すばる文学賞を受賞。平成7年には「テロリストのパラソル」で第41回江戸川乱歩賞を受賞。翌年には同作品で第114回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

306
下巻では辰村ばかりか、戸塚までが並外れた硬骨漢ぶりと有能ぶりとを発揮する。しかも、ここで上巻の3人が固い結束を持っていた大阪と現在とが決定的に繋がることになる。そして、辰村のハードボイルドが(それは別名、瘦せ我慢とも言うが)読者をも突き放すほどに冴えわたる。戸村とそうなってもいいと迫っていた美貌の上司の立花はおろか、積年にわたって愛していた明子の「駆け落ちしよう」との提案までも振り切るのである。明子への想いを断ちがたいが故に独身を通してきたにも関わらず。もっとも、それゆえにこそ読者には清々しく映るのだが。2024/08/27

ミカママ

191
読み終わった今、目には涙が浮かび、小さな胸が震えてます。本を読んでこんな感情にさせられたのはいつぶりだろう。この作品にはすべてが詰まってる。バリバリ仕事をこなす男、男と男の友情、幼馴染との甘酸っぱい感情・・・。あちこちに広げられた風呂敷が、最後にはきれいにたたまれるという職人芸を、目の前で見せつけられました。これで藤原さんの本は4分の3読了かな。あと何作品未読なんだろう(泣)2015/12/20

nobby

135
爽快な終焉を堪能しながら、気付けば目に浮かぶ涙…面白かった!とにかく読み切るのが名残惜しかった。ここまでばら撒かれた事柄が、次々と光射す方向に結び付く展開にワクワクするばかり。一方で残されていた幼少時の秘密も、思いのほか落ち着いての決着が見えて来る。いざ社内敵役からの宣戦布告も分かりやすく、とにかく相手を滑稽にして立ち向かう様は心地よい。万事準備整って、いざ挑むプレゼンテーションは如何に!?読み終わって尚、人物それぞれの様々な場面が走馬灯の様に駆け巡る。それだけ印象付けられるのがイオリンの魅力なのだろう。2018/04/23

KAZOO

132
下巻に入るとかなり主人公を陥れるための企業内の陰謀の方が中心となってきます。権力争いなのでしょうね。同じ企業内でもこのようなことやセクハラあるいは出張費の横領などがまかり通っているのでしょうか?私は特にこの業界というのはすきま産業のような気がして、接待を中心として生きているやくざ的な業界ということで見てきましたが藤原さんがいたときもそうなのでしょうね。まあよく書いてくれたと思います。2018/01/06

じいじ

83
 広告の世界に携わる男たち〈担当部長は女性〉をここまで赤裸々に劇的に書上げた小説を初めて読んだ。理屈抜きに感動しました。涙が込み上げてくる感激シーンも…。ライバル社と新事業の広告予算18億円を争うプレゼンに、精力的に立ち向かう広告マンの姿が頼もしい。リーダー辰村の決断で、プレゼンの進行役に抜擢された新人戸塚の成長ぶりが眩しく輝いていた。ビジネスの世界、勝ちがあれば負けもある。辰村チームの悔いのない敗北は、明日の勝利を目指して闘うための糧になるだろう。また一人、感動する作家に出会った。物故が惜しまれる。2015/12/29

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