文春文庫
艶紅(ひかりべに)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 466p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167606053
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

生まれ育った祇園の茶屋を嫌い、生家を出て染織作家となった37歳独身の久乃。栗東で競走馬の装蹄師をしている、妻子と別居中の恵一郎。ある雪の日、縁切り寺と呼ばれる安井金毘羅宮で出会った二人は急速に惹かれ合っていく―。直木賞受賞作の原点とも言うべき、京都の四季を舞台にした詩情溢れる恋愛小説。

著者等紹介

藤田宜永[フジタヨシナガ]
昭和25(1950)年、福井県に生まれる。早稲田大学中退。48年、パリに渡り、エールフランスに勤務。55年に帰国後、エッセイを執筆。61年、「野望のラビリンス」で小説デビュー。平成7年、「鋼鉄の騎士」で第48回日本推理作家協会賞、同年、「巴里からの遺言」で第14回日本冒険小説協会大賞短編部門大賞を受賞。その後「樹下の想い」で恋愛小説に新境地を拓き、平成11年「求愛」で第6回島清恋愛文学賞を受賞、平成13年「愛の領分」で第125回直木賞を受賞する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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キムチ

38
どっぷりの中年色小説。表面的に色欲を感じさせないのは藤田氏ならではのテクニック、背景に顔を出す京の食・風景・そして古典職人芸の世界がどろどろ感をさらりとしたニュアンスに仕立てている。49歳と37歳の男女、男には別居中の妻と娘、女には恋人が。どちらも職人、自負がある。しかし、燃え上がった情欲に身をゆだねて・・から一気に炎が上がる過程は引きずり込まれた・・どちらも柵があるからハッピーエンドとは行くまいと思ったものの、どう着地が決まるかで読ませる。なかなか、当たりの作品2011/06/26

tom

22
図書館から借りてきたのだけど、どうして借りることにしたのか記憶は定かじゃない。せいぜい1か月前のことなのに、どうしてなのよと笑う。この物語、京都に住む機織職人と装蹄師(競馬のお馬さんの蹄を打つ人)の愛の物語。何かの拍子で出会ってしまった。あっというまに、愛が生まれた。初めての夜、女は白い夜着を用意して男に抱かれた・・・。そうですか、いつの時代ですかと、突っ込みが始まる。二人の別れの顛末もまた同じ。これが中年の愛の物語ですかと笑いました。女の喋る京都言葉、作る料理、これはよろしかったのですけどね。2022/08/04

きのこ

17
はい、予想通りでした。急速に惹かれあった2人がハッピーエンドに向かってまっしぐらと思いきや双方に様々な困難が持ち上がってお別れとなります。「櫓」に爆笑カラカラ 面白かった。2019/06/18

T. Mu

9
引き込まれて一気読み❗️愛の領分の前に書かれた恋愛ものだそうです。中年男女の恋はいろいろなしがらみもあり、なかなか思うようにはなりませんね(笑) でも、2人の気持ちの機微がとても繊細に表現されていたと思います。4.52023/01/25

バーベナ

3
縁切りの願掛けの為に訪れた神社で出会ったふたり。装蹄師と染織作家という職業について初めて知ることばかり、とても興味深い。こんな世界があったのかと。装蹄師には壊れかけた家庭があるのだけれど、娘の一言で恋が暗礁に乗り上げる。娘、恐るべし。2023/03/27

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