文春文庫<br> ゴサインタン―神の座

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文春文庫
ゴサインタン―神の座

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  • サイズ 文庫判/ページ数 655p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167605063
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

豪農の跡取り、結木輝和はネパール人のカルバナと結婚したが、両親が相次いで死に、妻の奇異な行動で全財産を失う。怒り、悲しみ、恐れ、絶望…揺れ動き、さまよいながら、失踪した妻を探して辿り着いた場所は神の山ゴサインタンの麓だった。現代人の根源にある、魂の再生を力強く描く第10回山本周五郎賞受賞作。

著者等紹介

篠田節子[シノダセツコ]
1955年(昭和30年)東京都生まれ。東京学芸大学を卒業後、八王子市役所に勤務する。90年「絹の変容」で第3回小説すばる新人賞を受賞し、作家活動に入る。97年には「ゴサインタン―神の座―」で第10回山本周五郎賞を、続いて「女たちのジハード」で第117回直木賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

491
文庫650ページに及ぶ大長編。国際結婚、都市部での農業、旧地主制度が生んだ保守的で軸のない後継者、宗教、信仰、とにかく書き切れないほどのモチーフとテーマが織り込まれている。小気味良い文章とその壮大な物語にこちらまで酔っ払ったような高揚感に包まれて読了。稀にみるエンタメ作品ではあるが、ファンとしてはそれぞれ個別テーマでじっくり読みたかった、というわがままも言ってみたい。2021/04/10

ヴェネツィア

407
『聖域』に次ぐヒマラヤ3部作の2作目。タイトルはサンスクリット語で「神の座」と呼ばれる霊峰(8000m 級の1つ。チベット名シシャパンマ)の名。小説の終盤の重要な舞台だ。テーマは極めて明確で、「死と再生」の物語。地位にも財産にも恵まれた、しかし間もなく40歳になる輝和に欠落するものは嫁と跡取りであった。この欠落を埋めようとするところから物語が動き出すが、ここからはまさに彼にとっては思いもよらない破天荒な展開となってゆく。戸惑い、逡巡、後悔、絶望とあらゆる感情に翻弄され、全てを喪うことで真の再生を得る物語。2019/10/06

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

117
第10回(1997年)山本周五郎賞受賞作。一人の女のために社会的な地位と全ての財産を失った男が、最後に辿り着いた地、ネパール。神の座の麓で見て、そして感じたものとは。お金でも見栄でもない、人の原点とは、真の幸せとは・・・。圧倒的なスケールで、そんな事を問われ考えさせられる作品だったと思います。2019/10/06

遥かなる想い

86
ネパール人と国際結婚をした男の物語である。 ネパールから農家に嫁に来た淑子の 圧倒的な不可解さが面白い。 夫 輝和の周りで続発する不幸と 淑子が 引き起こしたものなのか? 農業と国際結婚、そして怪しげな新興宗教… 転落していく様は著者ワールド全開だったが …最後の最後まで 淑子の内面が不可解で 神秘的な物語だった。2024/05/10

みも

78
得も言われぬとか…名状し難いとか…貧弱な語彙力ではその程度しか言葉に表せない自分がもどかしい。良い意味で著者の想いが掬い取れず、帰着点への予断を許さない卓抜した展開。その構成は論を超えた神聖な何者かによって導かれている様に見える。現実の生々しさを丹念に綴る土台に、極めてスピリチュアルな要素を取り入れるが、突飛さや幻惑感は立ち現れない。最後まで淑子の底意が知れない事で、作品の神聖さがいや増すといったところ。そして主人公の輝和が当事者であり、且つ観察者である事が、物語の構築手法として絶妙。コメントへ➡ネタバレ2018/10/31

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