出版社内容情報
女王マリア・テレジアとハプスブルク家を支える隻眼の青年は、武勇と知謀を尽くして、疾風怒涛のヨーロッパ戦国時代を駆け抜ける
内容説明
18世紀前半のヨーロッパ戦国時代を駆け抜けた隻眼の風雲児エドゥアルト(エリヤーフー・ロートシルト)の波瀾に満ちた生涯。ユダヤ人ゲットーをのがれ、戦乱の渦中に身を投じ、ハプスブルク家マリア・テレジアとの恋の確執のなかで、たび重なる挫折を繰り返しながら、主君フランツとの友情を奉じつつ成長してゆく姿を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
56
18世紀ヨーロッパを舞台にした大河ドラマで、世界史で習ったような沢山の有名な人物が登場しますが、その中にあっても主人公のエドゥアルトは圧倒的な魅力で、その彼の生き様がドラマチックに描かれていました。フランツとの友情、マリア・テレジアとの関係が下巻でどうなってしまうのかが、今からとても楽しみです。教科書では学べない世界史の陰のドラマをこっそり眺めているような感覚で、ドキドキします。2013/06/04
ALATA
50
藤本さん2冊目。十八世紀ヨーロッパに渦巻く領土と権力を争う戦国時代。様々な人種の坩堝の中でハプスブルク家がいかに生き永らえていくのか歴史の勉強になればと読み始めた。両替商の息子、エリヤーフーは不慮の事故から身分を捨て流浪の民となる。フランツとの友情、マリア・テレジアとの愛憎、戦火の嵐へ。著者の中世史の知識、造詣の深さに感嘆するばかり★3※それにしてもユダヤ人が大切にしている子供と善行、そして富、、、これが生きづらいってことなんすね。次巻へ2025/08/18
紅香
42
昼間でも暗い部屋。30種類の高額の税金。ユダヤ人居住地区は光が届かない。絶望の匂い。乾いた咳、罵声と嘲笑を浴びるだけ。そこから出たらどこにも居場所がない。その血のせいで。。『主イエスを殺した永遠の罪人という命題』を振り切るかのように自由を求め、走り続けたエリヤーフー。18世紀前半のヨーロッパの戦乱へ身を投じる。炎上させる覚悟で。誰よりも速く、どこまでも駆け抜け、その血を憎み、そして愛しながら。策略に次ぐ策略。陰謀に次ぐ陰謀。叶わぬ恋。ハプスブルク家の宝剣となった彼を輝かせるのは誰か。息つく間もなく次巻へ。2015/07/23
イリエ
16
オーディオドラマで興味をもって。こんなに面白いのに、どうしてもっと話題にならなかったんだろう。作者、本当に日本人? ここまで深い内容だったとは。宝塚でも上演したくなる理由がわかります。2020/05/16
miwmiw
13
ユダヤで生きてきた優秀なエリヤーフーが、決闘にて偏見と差別されるユダヤを捨て、オーストリア人となるべく生きていく。18世紀のハプスブルグ家、マリア・テレジアや主君フランツ、華々しい世界と戦乱、ドラマチックなお話でした。少女小説+大河ロマンという感じで、先の展開が読めるけど読んでしまいます。かっこいい絵のマンガで読みたい。エドゥアルト絶対かっこいい。ユダヤは本当にこんな暮らしなのかな。迫害は聞くけどここまで根深いのか。2015/01/11