内容説明
あの有名な軍歌「同期の桜」にはもとの詩があって、なんと作者は西條八十であった。それがなぜ、どのように変えられたのか?歌詞の背景にある世相と言葉の関係を考察して、音便の問題にまでいたる表題作から、碁の「つぶやきことば」、正字と簡体字、地名と古語など…言葉をテーマにした面白エッセイが満載の一冊です。
目次
われら神州清潔の民
百年のことば
証拠インメツ
関西はどこまでや
帝国ホテルの一夜
妖しい若武者
同期の桜
著者等紹介
高島俊男[タカシマトシオ]
1937年生れ、兵庫県相生出身。東京大学大学院修了。中国文学専攻。主な著書に『水滸伝と日本人』(第5回大衆文学研究賞)、『本が好き、悪口言うのはもっと好き』(第11回講談社エッセイ賞)、『漱石の夏やすみ』(第52回読売文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
100
何度も読み直しては、同感だと思うことがあります。著者と同じ年齢を過ぎて、かなり年寄りになったということなのでしょう。今回印象に残ったのは、歌に関するところでしょうか。「からたちの花が咲いたよ」「赤い靴はいてた女の子」「同期の桜」「嗚呼玉杯に花うけて」などです。同期の桜にはもとの詩があって西條八十だそうです。やはり言葉などについてかなり詳しく書かれています。2025/01/22
KAZOO
14
筆者の年齢に大分近くなっている影響からかもしれませんが、書いてあることに同感を覚えることばかりです。特に最初のほうの大統領夫人の靴と自分の本を例に挙げているところは笑ってしまいました。必要な本がっていろいろ手段を講じて取り寄せたが以前購入していてちょっとしたときに見つかったとか、自分の本棚に知らない本を見つけて「こんな本を買っていたんだ」とぱらぱらめくってみると赤線をひいたり自分の筆跡で書き込みがあったりと、まるで自分のことを言われているようでした。2014/07/09
モリータ
6
1/18,さんちかの古本市で見つける。この日は衣装合わせ→大丸の地下でパン屋→ラミ→トアウェスト(花屋)→さんちか。2020/01/25
Gen Kato
2
「同期の桜」に元の詞があった(西条八十)とは知りませんでした。童謡・唱歌の違い、歌い手評、「嗚呼玉杯に花うけて」考も興味深かった。2015/09/09
しえろ
2
「童謡は『子供の歌』という形をとったおとなの歌である。子供の歌であるがゆえにおとなに訴えるという、倒錯した、かなり畸形的な歌である。」2014/11/14