内容説明
わが国のタレント教授のハシリとなった東京帝大教授・和田垣謙三の「どこまでまじめでどこまで冗談かわからない」面白さをはじめ、花森安治、会田雄次、長谷川泰らのちょっとイイ話が満載。また、「カギのない蔵」「五十をすぎたおばあさん」など、言葉にかんする鋭い指摘もタップリ。考えるヒントを授ける。
目次
青い顔してナンバ粉食うて
院殿大居士一千万円
カギのない蔵
赤い腰巻き
せがれの凋落
明治タレント教授
独孤将軍孤軍奮闘
著者等紹介
高島俊男[タカシマトシオ]
1937年生れ、兵庫県相生出身。東京大学大学院修了。中国文学専攻。主な著書に『水滸伝と日本人』(第5回大衆文学研究賞)、『本が好き、悪口言うのはもっと好き』(第11回講談社エッセイ賞)など
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
101
このシリーズももう何度目かの再読なのですがいつも気づかせられることが多く参考になります。やはり専門であられる漢語に関するものが多いのですが、世に敷衍している誤りに対してはかなり厳しい対応をされています。ただ、時たまご自分の勘違いなどがあったりすることがあった場合には「あとからひとこと」などで訂正されることもあるようです。今回の再読ではキャピタリズムを「資本主義」ではなく「資本制」というべきであると小宮隆太郎先生(東大名誉教授)の言葉を引用されていることが印象に残りました。2024/04/02
モリータ
10
前に大半読んでほったらかしにしていたのを読み切る。解説が呉智英。2017/09/25
しんこい
10
言葉の話はいつも面白いですが、日本語を普段使っていても分かってない事が沢山ですね、作者もまたすべてを知っている訳でないことも正直に書いてあります。臥薪嘗胆なんて成立の背景をちっとも分かっていなかった。新幹線で子供をどなったら本当に訴える親がいるのも驚きです。2016/04/27
takaC
6
某週刊誌に連載されている氏の連載エッセイを単行本化したもの。連載は今も続いているが、単行本は去年の第10巻で終わりらしい。その第三巻。言葉(日本語)に関する鋭い指摘はとても為になる。こういう知識を子孫にも伝えていかないといけないのだろうなと思いながら、実践は難しい。『明治タレント教授』は中の一篇のタイトルでもある。単行本としては別の署名だったらしいが、文庫化の際に変えたとか。文庫版あとがきにはその経緯なども書かれている。2007/09/12
しえろ
3
臥薪嘗胆の出典についてや十八史略の性質、棋と碁の話が面白かった2014/08/27