内容説明
安政の大地震によって傷ついたロシアの軍艦ディアナ号の替わりに、洋式帆船を建造せよと韮山代官の江川坦庵より命ぜられた、伊豆・戸田村の船大工・虎吉の奮闘ぶりを描く「ヘダ号建造」や元絵師が写真技術を習得するまでを綴った表題作「お吉写真帖」など維新期、西洋技術と格闘する人々を活写した短篇集。
著者等紹介
安部龍太郎[アベリュウタロウ]
1955年福岡県生まれ。図書館司書を経て、1988年「師直の恋」(文春文庫『バサラ将軍』に収録)で作家デビューを果たす。週刊誌に連載した『血の日本史』で、歴史のかげに敗れ去った者たちの系譜を描き、注目を集めた。直木賞候補となった『彷徨える帝』をはじめ、史実に真向から挑む作風に寄せられる期待は大きい
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