出版社内容情報
江戸から現代へと個性的な変容をとげた都内13カ所の歴史を、土地の運命を左右する[地霊]概念を使って読み解いた「東京土地物語」
内容説明
三井財閥と久能木一族が争った都内最強の土地・日本橋室町。薄幸の皇女と奇しき因縁に結ばれた六本木。天海僧正が江戸の鬼門に再現した「京都」・上野公園など、江戸から平成まで数奇な変転を重ねた都内13カ所の土地を、「地霊」という視点から考察する。サントリー学芸賞受賞の興趣溢れる「東京土地物語」。
目次
1 民活第一号の土地にまつわる薄幸
2 「暗殺の土地」が辿った百年の道のり
3 明治の覇者達が求めた新しい地霊
4 江戸の鬼門に「京都」があった
5 江戸の「桜名所」の大いなる変身
6 現代の「五秀六艶楼」のあるじ
7 幻と化した「新宿ヴェルサイユ宮殿」
8 目白の将軍の軍略にも似た地政学
9 三井と張り合う都内最強の土地
10 「目黒の殿様」がみせた士魂商才
11 東大キャンパス内の様々なる意匠
12 東京西郊の新開地・うたかたの地霊
13 昭和・平成二代にわたる皇后の「館」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
讃壽鐵朗
1
戸籍と同じように、土地の変遷を地籍として調べる面白さを味わった
ささ
0
◾︎地霊、というとおどろおどろしい雰囲気がありますが、そういう本ではなく、土地の歴史を描いたもの。三井本館を建て替える際に、決して自分の土地を売らず、やむなく建設計画を変えさせた久能木商店の話や、護国寺が由緒あるお寺になっていった過程など、読んでいてワクワクする。大ベストセラー(米欧回覧実記)を生み出した久米邦武と、庭師小川治兵衛の人物像に興味が湧いた。2017/03/13
bittersweet symphony
0
タイトルにある「地霊(ゲニウス・ロキ)」とはその土地が持つ特性によって特異的にあらわれる土地の歴史の様相を示すものということになります。本書は東京都区部にあるそういった特異性を示す場所をピックアップ、その歴史を描写する内容。高度成長期以降にこれらの繋がりが断絶されていくことも図らずも示しているとは言えそう。2014/02/14
.38
0
土地の雰囲気や因縁という意味での地霊に対して肯定的な定義で展開されている。負の側面としての地霊についても紹介して欲しかった2011/11/09
丰
0
19980310
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