内容説明
肉親が他界するたびに四国巡りをする。そんな著者が壮絶な兄の最期に立ち会い、波立つ心を抱えて訪れた三度目の四国への旅は…。薬王寺の境内に立つ地蔵菩薩に兄の顔が重なり、三十六番札所の青龍寺で祈る幼女の姿に「無心」の境地をみる。愛する者の死をどう受け入れるか、いかに祈るのか。足取りを記した四国巡礼地図付き。
目次
顔施
童眼
老い歌
なにも願わない手を合わせる
安らかなり
古い時計
犬影
色食是空
死蝶
菜の花電車
人生のオウンゴール
水に還
春の猫
まなざしの聖杯
富士を見た人
垂乳根
東京物語
刃
無音
夢の技法
営みの花
春花考
著者等紹介
藤原新也[フジワラシンヤ]
1944年、福岡県生まれ。東京芸術大学油画科中退。第3回木村伊兵衛賞、第23回毎日芸術賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。