文春文庫<br> 「レ・ミゼラブル」百六景 (新装版)

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文春文庫
「レ・ミゼラブル」百六景 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 497p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167590062
  • NDC分類 953
  • Cコード C0195

出版社内容情報

簡にして要を得た骨太な粗筋に、刊行当時の木版画230枚を添えて、詳細を極めた解説。深い理解に導かれる、伝説的名著の復刊!

内容説明

なぜジャン・ヴァルジャンは、パリのその街区に身を隠したのか?里親から虐待を受けるコゼットが、夜店で見ていた人形はどこ製か?19世紀の美麗な木版画230葉を106シーンに分け、骨太なストーリーラインと、微に入り細を穿った解説で、“みじめな人々”の物語をあざやかに甦らす。長大な傑作の全貌がこれ一冊でわかる。

目次

第1部 ファンチーヌ
第2部 コゼット
第3部 マリユス
第4部 プリュメ通りの牧歌とサン=ドニ通りの叙事詩
第5部 ジャン・ヴァルジャン

著者等紹介

鹿島茂[カシマシゲル]
1949(昭和24)年横浜市生まれ。東京大学大学院修了。共立女子大学教授を経て、明治大学教授。専門は19世紀のフランス文学。91年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、2004年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さゆ@俳句集販売中

108
レミゼとユゴーの思想についての解説本。罪なる者を許す良心が獣と人間を隔てる人間性、則ち神であり、これより人類は進歩の道をたどる、とあるようにやはり許しがテーマの1つにあるようだ。かつてマンデラやガンディーも許すことによって解決をはかったが、憎しみや復讐だけに囚われているとそれを果たしたとしても残るのは目標を失った空虚だけで、負の感情が大きいほど空虚さもまた大きくなる(体験談)。嫌なことを覆い尽くすほど好きなことしたいと思う今日この頃。2023/12/10

まこみん

85
今年の帝劇で観る前に、きちんと原作の知識が欲しいと思っていたところ、ぴったりな文庫本に出合った。当時の木版画挿絵が230枚掲載されて、その時代背景やユゴー自身の思想の変遷も分かりやすく書かれ、すっかりレミゼ通になった気分に。フランス革命からの目まぐるしい時代変遷も再認識出来た。ジャン・ヴァルジャンの生涯を通しての罪の意識と追われる立場、ミリエル司教から受けた慈愛の精神。ジャベールの自身崩壊の経緯。当時のパリの庶民生活、弱者への不寛容。1832年6月の民衆蜂起の場面ではバリケードの解説。民衆の歌、熱い思い。2019/01/02

zero1

72
革命に愛、人間の狡さと死。すべてがここにある!誰もが知っているが、仏文学者を含めて読んだ人は意外に少ない。ミュージカルだけの人は作品の魅力を一部しか知らない。たとえばエポニーヌはガブローシュの姉。つまりテナルディエ夫妻の息子。パンを盗み脱獄を繰り返したことで19年牢獄にいたバルジャンは司教と出会い生まれ変わる。本書は多くの挿絵でこの壮大なドラマを紹介しながら解説。我々は犯罪者を排除するだけでいいのか。1862年に出たものの、底辺にあるテーマは今も問われ続けている。著者は古本でも知られる明大教授の鹿島茂。2019/02/10

i-miya

64
2013.12.07(12/07)(つづき)鹿島茂著。 12/06 (p042) 第6景、ジャン・ヴァルジャンの過去。 報復刑罰主義。 第11景、学生と女工。 パリの女工、ファンチーヌのエピソード。  1815.06、ワーテルローの敗戦、ナポレオンの百日天下、終了。 ルイ18世の第二次王政復古、始まる。 軍歴の代わりに、学歴が重んじられる時代。 学生の町、カルチエ・ラタンは学生があふれる。 グリゼットと呼ばれる女工たちと遊ぶ。 フェリックス・トロミエスもそんな学生の一人。  2013/12/07

Book & Travel

57
19世紀後半に書かれたというユーグ版『レ・ミゼラブル』の挿絵から230葉を取り上げ、ストーリーに沿って内容の要点とその背景にある当時のフランス社会について、仏文学者の著者が解説してくれる。抄訳版で読んだので、もう少し理解を深めたいというところがあって読んでみたが、わかりやすくてとても良かった。ユゴーがこの作品に込めた無償の愛と社会の悲惨さというテーマのうち、特に後者の部分についての理解が補完され、作品への思い入れも深くなるようだ。他の長編名作でもこういう本があるとより楽しめるだろうな。2018/11/09

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