文春文庫
詩歌の待ち伏せ〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 217p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167586065
  • NDC分類 911.04
  • Cコード C0195

出版社内容情報

プレヴェール、李白、堀口大學…著者の温厚な知性、豊かな教養と瑞瑞しい感性により読者を心地よく耕してくれる詩歌ワールド第3弾。

内容説明

プレヴェールの詩「朝食」の5人の異なる翻訳に触れ、各人各様の違った世界に驚き、女性詩人・天野慶の初期のいじめを扱った作品と、明るさと柔らかさを持つ数年後の作品の比較から、裏にある彼女の軌跡へと思いを馳せる。著者の豊かな教養と感性が、読者を新たな出会いへと誘う詩歌ワールド、待望の第3弾。

目次

「朝食」プレヴェール/内藤濯訳・「朝の食事」プレヴェール/小笠原豊樹訳・「朝の食事」プレヴェール/平田文也訳
「朝の食事」プレヴェール/北川冬彦訳・「朝の食事」プレヴェール/大岡信訳
「手回しオルガン」プレヴェール/大岡信訳
「おくじょう/中学二年、ふゆ」他天野慶
「白木の位牌」「しっぽを捨てる」「非」木村信子
「非」「ひつじ」「花火」「真珠売り」木村信子
「旅商人の妻のうた」李白/奥平卓訳
「アリカンテ」プレヴェール/村松定史訳
「あしひきの」柿本人麻呂他/佐佐木幸綱訳・「五月闇」藤原実方
「花の色は」小野小町/橋本治訳〔ほか〕

著者等紹介

北村薫[キタムラカオル]
昭和24(1949)年、埼玉県生れ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら、昭和59年創元推理文庫版日本探偵小説全集を編集部と共同編集。平成元(1989)年、「空飛ぶ馬」でデビュー。平成3年、「夜の蝉」で日本推理作家協会賞、平成18年、「ニッポン硬貨の謎」で本格ミステリ大賞評論賞、平成21年、「鷺と雪」で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiha

32
再読。珍しいことに初読の記憶が残っていた。プレヴェール「朝食」の訳の違いと天野慶の短歌は、印象が強かったのねん。翻訳をするとき、「原作者には寝ていてほしい」という柴田元幸の言葉にふむふむとうなずく。「原作+感性や表現力」を翻訳ととらえるなら、翻訳者にとって試される思いがするからだろう。今回は、藤原実方VS藤原行成が面白かった。百人一首「かくとだに・・・」の実方の才気煥発の和歌。実務家として一流で、清少納言との交流もニヤリとさせてくれる行成。私の好みは行成に軍配を上げる。2020/05/10

yumiha

6
翻訳の違いによる面白さや怖さを、プレヴェール「朝の食事」や百人一首の和歌などで、丁寧に教えてくれる。やっぱ北村薫は、すごいっす。たぶん蔵書量は、ハンパぢゃないんでしょうなあ。それに加えて、その一節をちゃんと記憶しておられるのがすごい。ワタシの脳細胞は、ど~だっていいことしか残してくれないもんなあ…。待ち伏せに出会うためには、それだけの機会と感性と記憶力が要求されるように思ふ。2012/10/11

tanuki

5
詩の章を拾い読み「木村信子 しっぽを捨てる」の本と覚えておこう2016/05/29

セルジオ肥前

2
北村さんの著作で無ければ、このシリーズを手に取る事は無かったろうと思う。これまで詩にはあまり関心が無かったが、少しは面白みを感じる事が出来た。2013/05/02

kochi

2
詩や和歌を読むのは苦手だけれど、このシリーズを通じてだと、なぜかすとんと心に落ち着く。味をしめて、詩集等に単独で挑戦するんだけれど、やっぱり駄目だ…の繰り返し。2010/01/16

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