内容説明
切っ先鋭くブッシュの戦争、小泉の「改革」を斬る一方で、病に倒れた女性作家の著作について熱く語る。思想家としての円空に挑みつつ、知られざる京都の奥深さを明かし、戦乱のさなかに花開いた室町文化の再考を提唱。そして混乱の度を深める現代にこそ必要とされる仏教の力を語りつくす―ますます光彩を放つ梅原流随想集。
目次
京都小見
格好のよい二人の首相
和気氏と仏教
花札の韓国的変容
父系社会と双系社会
旧石器ねつ造事件に思う
「ムツゴロウ」の語ること
W杯にみる日韓両国の違い
ムネオという祟り神
ギリシャ悲劇とマスコミ〔ほか〕
著者等紹介
梅原猛[ウメハラタケシ] 
大正14(1925)年、仙台生れ。京都大学哲学科卒業。立命館大学教授、京都市立芸術大学学長、国際日本文化研究センター初代所長を経て、現在同センター顧問ならびにものつくり大学総長。法隆寺論『隠された十字架』、柿本人麿論『水底の歌』で、それぞれ毎日出版文化賞、大佛次郎賞を受賞。次々と大胆な仮説を提起して「梅原古代学」を確立、さらに「梅原日本学」への体系化をすすめる。一方、スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』やスーパー狂言『ムツゴロウ』など戯曲も手がけ、また脳死臨調では脳死を人の死とする説に反対する少数意見を発表するなど、活躍は多岐にわたる。平成11(1999)年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
34
          
            著名な哲学者である著者の新聞連載エッセーを書籍化。内容は多岐だがなるほどなと感ずる話しが多数で面白い。円空仏と白山信仰、神仏習合思想の関連性の考察は刺激的。永年の不思議、韓国政界の度重なる不祥事が一族郎党の面倒をみる「父系社会」の伝統の故との分析も印象的。ちょっと自信過剰ぶりがひっかかるけれど、学問の世界はこうでなくては業績も残らないかもですね。タイトルの「戦争」は執筆当時の子・ブッシュのイラク侵攻(2001年)。思い返せば、この戦争も今日の奢れる国の横暴・ウクライナ戦争に繋がっているように見える。2025/10/08
          
        もくもく
7
          
            表題を見て手に入れて、読んでみて、思っていた内容とちょっと違ってまして、「戦争と仏教」ってタイトルのエッセイはありませんでした。(^o^) 梅原猛先生の短めのエッセイ集(出典は日経連載のコラムらしい)で、00年代ころの肩肘張らない文章たちが並んでいました。現代の碩学が語る生活雑感、政治情勢、スポーツへの思い、歴史・文化への考察、交友録…等々、どれも興味深く、論理的でありながら、その底に流れる上品なユーモア感覚もうかがえて、なかなか楽しく読了できました。2015/03/16
          
        Tomoichi
6
          
            円空など仏教関係のエッセイは楽しく読めましたがそれ以外はイマイチかな。梅原ファン向けだね。2013/08/22
          
        さきん
4
          
            隠された十字架という本がおもしろかったため手に取った。梅原氏の仏教観から社会を論じた内容。2015/07/11
          
        Gen Kato
2
          
            10年以上前に書かれたエッセイ。政治状況は完全に「現在」への布石が打たれていて、梅原先生はしっかりそのあたりに警鐘を鳴らしておられます。相撲の国際化に関してはまったく同感。一方、野球ネタには鋭いユーモアセンスを発揮され、「そう強引に話をつなげるか」とのけぞる論理展開になごませてもらいました。個人的にいちばん笑ったのは岡本太郎のエピソード。2015/01/11
          
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- 小説大逆事件



 
               
               
               
              


