内容説明
安政二年十月二日に江戸を襲った大地震に翻弄される人々を描く連作短編。地震予知の赤鯰で一儲けを企む小悪党、銀の百足で不老長寿の薬を作る薬売り、井戸掘りと夜鷹のはかない恋、子宝の湯に通う夫婦などが登場し、摩訶不思議な物語が展開する。幕末の不穏な世情に、死ぬ者・生きる者等しく哀感をそそる。
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944(昭和19)年、茨城県生まれ。73年より東京都杉並区高円寺で古書店「芳雅堂」を営むかたわら文筆生活に入る。92年、『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞を、93年、『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まみり
3
★★★☆☆2016/05/15
山内正
2
虎之助は酒を飲み震えを治し筆を取る 後三年で死んだ父の年になる 三枚書き御縁堂に酒と交換しに行く 後二枚は弥富屋でと店に伺う。 女中が立て続けに酒を注ぐ 奥の老女が微笑ながら来る(もう三十年になりますね)(まさか?)(ええそのまさかですよ) 若い虎之助は同僚に泡を吹かせようと若い女郎に頼んで5日後又来ると座敷を出た 後で女郎を見て叔母に似てると思った! 貴方だったと微笑んだ! 家に帰り母の顔を見て酒を飲んだ時 ぐらりと家が揺れた!2018/09/24
らんちあ
1
名著、これは面白い2019/11/02
あられ
1
鯰が跳ねる、土が暖かい、季節外れのタンポポ…昔の人でもついと見逃がしがちな異変。アスファルトにがっちりと囲まれた今、そんな異変を感じることができるのだろうか?2017/11/27
yamakujira
0
(★★★☆☆)