出版社内容情報
蒐書狂、古書鑑定人、廃品回収業者など古書の周辺を彩る奇妙な人間模様。古典落後にも似たキレのよい語り、異色作家の傑作短篇集
内容説明
新聞の死亡欄で“顧客”を探し、死者の蔵書を買いあさる古本屋、その名も「枠屋」が出会った奇妙な事件―。表題作のほか、古書鑑定人なる謎の男を描いた「冬至の旅」、廃品回収業者とのふれあいを綴る「背広」など、古書の周辺を彩る奇妙でそこはかとないペーソスを秘めた人間模様を、古典落語にも似たキレのよい語りで贈る傑作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
100
出久根さんの短編集で6編収められていますがそのうち5編は古本がからむもので楽しめました。最近は昔ながらの古本屋も少なくなってしまいましたが(今でも神保町では古本祭りをやっているようですが) 、この本を読むと当時の状況がよく思い出せるような気がします。「背広」などは時代性を感じさせてくれますし、表題作はホラーのようなイメージを感じさえてくれます。最後に谷沢永一さんの「出久根さんの古書目録」があり楽しめました。2023/11/03
はらぺこ
40
短篇集。『くしゃみ』以外は古本屋さんが出てくる話。オモロかったし読み易かったので次は直木賞受賞作を読んでみたい。2014/08/23
夏児-kaji-
2
一編を除き、古本屋さんが関係してくる。古書店店主と廃品回収業者たちの話の「背広」を始め、人間臭さと得体のしれない奇妙さを感じて少し怖い。新聞の訃報欄から故人と縁あった風を装って連絡をし、故人の蔵書を買い取る古本屋(通称「枠屋」)の話が特に奇妙で怖かった。2015/04/25
ドドイツ
2
古本屋と喘息のおっさんの短編集。人間臭く、ほのぼのしていて、おっかない。今週末は四天王寺さんで古本まつりです。2013/10/09
つちのこ
1
図書館本 1998.3.10読了1998/06/10