文春文庫
マリー・ルイーゼ〈下〉―ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 458p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167574062
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0195

出版社内容情報

マリー・アントワネットを大叔母に持ち、ナポレオンとの政略結婚を強制されたハプスブルク家の皇女が体験した19世紀の戦乱の日々。

内容説明

パルマ公国の女王となったルイーゼは、国民の生活向上を願い、別離を余儀なくされた息子のローマ王の成長を温かく見守りつつも、愛人との逢瀬、極秘出産など葛藤にも苦しむ日々を過ごす。そして、息子の早すぎる死、父・フランツ皇帝の逝去に悲しむ暇もなく、燃えるイタリア・ナショナリズムに翻弄されていく。

目次

第3部 風渡る秋(パルマ女王の善政;少年、ライヒシュタット公となる;イタリアの母を恋い慕う;ナポレオンの最期;きよしこの夜;青春の夢と孤独;ナイペルク首相の死;プロケシュ=オステンの友情;女王一人デモ隊と対決;華やかなスターの魅力;青年公爵、結核に倒れる)
第4部 冬の疾風(幸薄き二十一歳の人生;孤独の女王;ヴェルディ応援;ナポレオンの遺体、パリに;燃えるイタリア・ナショナリズム;善良なる女王の死去;メッテルニヒ崩壊;新しい若い皇帝)

著者等紹介

塚本哲也[ツカモトテツヤ]
昭和4(1929)年、群馬県に生れる。東大経済学部卒。毎日新聞ウィーン支局長、プラハ支局長、ボン支局長、論説委員、防衛大学校図書館長・教授、東洋英和女学院大学学長などをへて、現在、東洋英和女学院大学名誉教授、作家。オーストリア共和国文化功労勲章、オーストリア共和国有功大栄誉銀章、毎日新聞連載「学者の森」(共同執筆)で日本新聞協会賞を受賞。著書に『ガンと戦った昭和史 塚本憲甫と医師たち』(第8回講談社ノンフィクション賞受賞)『エリザベート ハプスブルク家最後の皇女』(第24回大宅賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Nat

17
マリー・ルイーゼを中心にしているが、上巻はナポレオン、下巻はナポレオン2世の人生も描いている。そして上巻、下巻に深く関わっているのはメッテルニヒ。何気なく読むことにした本だったが、繁栄を誇ったハプスブルク帝国が滅亡に向かっていく背景も知ることができた。ナポレオン2世が健康だったら、歴史は変わっただろうか。メッテルニヒがライヒシュタット公が結核に罹患したことを知ったときに「後、10年かな。」と言った言葉が現実になったことがあまりにも悲しい。息子と5歳位で別れて2、3年に一度しか会いに来なかったのは寂しすぎる2019/06/15

井戸端アンジェリか

6
ナポレオンに始まりハプスブルク帝国の滅亡で終わる。ナポレオンⅡ世もマリー・ルイーゼも脇役のようだった。ナポレオン皇妃と言えばジョゼフィーヌだと思っていたし、ナポレオンとの婚姻生活はたったの4年で、もしかすると後の事を考えて隠そうとしていたのかとさえ思う。Ⅱ世が元気なら歴史が変わったんだろうなぁ。 あとがきに、著者の関心事は「彼らの人生だけでなくその時代の流れと問題点である」と書かれているので、これは違うものを期待していた私が悪いんだわね。その頃日本は明治維新だったなどの説明はためになりました。2014/03/29

穀雨

2
下巻はナポレオン失脚後、当時の欧州列強の都合でイタリアのパルマ公国の女王に即位させられてからの話。同国出身の音楽家ヴェルディやイタリア・ナショナリズムの動向など、女王とは直接関係のない事柄にも多くのページが割かれているが、そのことからして女王の治世が特筆することの少ない、おだやかなものであったことがうかがえる。日本ではあまり知られていない人物の伝記を、このように親しみやすい形で読めるのはたいへん貴重だと思う。2018/01/18

Cinejazz

1
マリー・ルイーゼの生涯は、“売られた花嫁”からナポレオン没落後の逃避行など、ハプスブルク家に政治利用される境遇にありましたが、パルマ公国の平穏と安定を使命として尽くし、国民から大きな支持を得た思い遣りある女王として歴史に名を残しました。ナポレオンとマリー・ルイーゼの間に生まれ育った俊才ナポレオン二世は、数奇な運命を辿った末に、25歳で薄幸の生涯を閉じています。 人間の幸不幸は、社会的地位や環境には一切無関係であることを、改めて思い知らされました。2018/02/12

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